実際のATO運転の車両制御
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 06:23 UTC 版)
「自動列車運転装置」の記事における「実際のATO運転の車両制御」の解説
以下はOsaka Metro千日前線での例である。 出発制御 安全のため、以下の条件が成立した場合のみ、列車を出発させることができる。「戸閉」「戸閉保安」「母線引通」「非常ユルメ」「断流器入」点灯。「非常ユルメ」は停止後も点灯。「可動柵開」は駅停止後、ホーム柵と車両の扉が開いてから点灯。出発時は消灯。「定点停止」は停止後点灯、出発時消灯。「ATO」は常時点灯。ATOは千日前線では回送、手動のハンドル訓練時は消灯し、手動が点灯する。 ATC常用ブレーキが緩解状態 ブレーキ圧力0:車両速度0km/h 運転取扱の流れ 始発駅では、運転士は乗務員室の扉の鍵を開け、マスコンハンドルを非常ブレーキ位置にした状態で運転キーを差し込む。続いてレバーサ(逆転器)を"前"位置にし、非常ブレーキ位置からブレーキ動作確認してNブレーキ位置へ戻した後、直予備ブレーキを一旦引いて、押してからブレーキ圧力を確認する。前照灯スイッチON・尾灯スイッチOFFにしてから方向幕・前照灯点灯・尾灯消灯を確認し、戸閉操作へ移行する。 発車サイン音が鳴り次第、車両の扉とホーム柵を閉める。車両の扉とホーム柵が閉まったことを確認したら、出発指示合図表示器の指差確認喚呼をした後、ATO出発ボタンを押して列車を出発させる。 ATO出発ボタンを2個同時に押すと出発できるが、出発ボタンを1つずつ押した場合はエラーが発生する。「戸閉」は車両の扉とホーム柵が閉まったら点灯、続いて「可動柵開」が消灯後、列車出発後すぐに「戸閉保安」「断流器入」「非常ユルメ」「母線引通」「ATO」が点灯する。ATO出発ボタンを2個同時に押してブレーキを緩解してから出発まで時間がかかる。 駅でホーム柵に手や物を入れて支障物センサーの赤外線が反応すると、全列車に自動ブレーキがかかり、列車が駅到着前の列車はトンネル出る付近でブレーキがかかり、トンネルを出る付近で停止、それ以外は駅かまたはトンネルの中で指令から解除が出るまで停止する。 駅間走行制御ATCからの制限速度信号とATO運転モード切換スイッチの条件から、目標速度を設定し、力行とブレーキ操作を行い列車を運転する。 惰行制御と減速制御走行中は必要に応じて惰行制御を行い、無駄な力行操作を抑制する。また、駅間に曲線部があり、減速を必要とする場合には車両側にある駅間走行パターンに基づき、事前に減速操作を行うことで乗り心地の低下を防止する。 定位置停止制御地上子からの地点情報を元に、車上パターンを発生させ、所定停止位置に停止させる。停止を検知すると列車の転動を防止するため、常用ブレーキを出力し、転動防止ブレーキをかける。 特にATO運転時には頻繁なノッチ操作を行うと乗り心地が低下してしまうため、力行ノッチ・常用ブレーキ操作は手動運転時よりもステップ分割を行うようにした車両が大多数である。
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