実在可能性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 06:17 UTC 版)
「ニビル (仮説上の惑星)」の記事における「実在可能性」の解説
上記のようにニビルに関する様々な流言飛語が飛び交っている。 2012年にドゥームズデー・カルトを扱うWEBサイト上においてNASAの赤外線観測衛星、IRASの観測でオリオン座の方向に巨大な天体を発見したとワシントン・ポスト誌が報じたとの記事が出たが、IRASは1983年に運用を終了しており、ワシントン・ポスト誌もそのような記事を掲載した事実はなく、全くもって荒唐無稽な記事である。 2016年には天文学者のコンスタンティン・バティギンとマイケル・ブラウンが、プラネット・ナインが存在するという間接的な証拠を発表した。。この発表はニビルの存在可能性を示すものではなく、ニビルとは一切の関連性がない。なお、プラネット・ナインの想定される特徴はニビルとは全く異なる物であり、公転は1万年から2万年の周期で近日点でも海王星の約7倍遠い約200 auと見積もられており、地球に接近することはなく、生命体が存在する可能性もない。 火星サイズの物体であれば300 AU(海王星の距離の10倍)以上の距離で発見されない可能性があり、木星サイズの物体であれば30,000AUの距離で発見されていない可能性がある。そのような遠方にある物体が終末論で語られるような数年内に地球に衝突、または地球を掠めるような軌道を取るのであれば銀河の脱出速度を超えるような超高速で地球に接近している必要がある。当然ながらニビルがそのような速度だったのであれば、太陽の周回はできず、とうの昔に太陽系外に射出され遥か銀河系外に飛び去っているはずである。また、地球により近く存在して何らかの陰謀でその存在が隠蔽されていたとしても(そもそも世界中のアマチュア天文家の口をどう塞ぐのか、という問題は置いておいて)、その強力な重力の影響により太陽系内の惑星の軌道を不安定にして、それらの影響が容易に観測できていなければおかしく「ある日突然ニビルが接近して人類が滅ぶ」といったことはあり得ない。また、準惑星である冥王星(明るさは14等級以下で目視不可、質量は地球の月の0.2倍以下)は家庭用の天体望遠鏡でも観測されている。仮に冥王星を超えるサイズの惑星が存在するのであればアマチュア天文学者でも簡単に観測できるはずである。
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