実在児童の保護の阻害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/02 00:54 UTC 版)
「児童・青少年の性保護に関する法律」の記事における「実在児童の保護の阻害」の解説
朴景信は、「ワイセツ物」配布は特進点数に加算されなかったが、「児童ポルノ」頒布は加算されるようになっていたため、2011年には年間約100件だった児童性犯罪が2012年には2224件と、22倍にも増加してしまったと指摘した。子供に対する性暴行事件を起こすのはポルノではなく、ポルノの有無にかかわらず、そのような嗜好を持った人物がそのような犯罪を行うとし、出世の点数が目的の警察官たちは、実際の犯罪を減らすことに貢献するよりも、サイバー世界の取り締まりに躍起になっていると批判した。 麻薬や殺人が過度に描写された映画があれば、市民の感受性を保護し、さらにそのような犯罪に対する警戒を強化するために規制をかけることもあるだろうが、そのような映画を麻薬取引や殺人の罪で処罰してはならないのと同様に、ファンタジーの表現を、それが実際に行われたかのように処罰した場合、事態は手に負えなくなるとも述べた。 同様の事態はスウェーデンでも見られた。児童ポルノ裁判でスウェーデン警察は、「性的虐待にさらされる恐れのある子どもたちを、空想のイラストと同レベルに扱うべきではない」と批判した。既に警察は虐待の加害者の取り締まりで手一杯で、同裁判の焦点は児童ポルノ対策から外れているとして、「イラストまで捜査対象に加えれば、被害に遭っている子どもたちを助けるための時間が削られてしまう」との見解を示し、2012年に最高裁で無罪となった(スウェーデン漫画判決)。
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