宗教: 敬虔な共和党員対典礼派の民主党員
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/03 02:53 UTC 版)
「第三政党制 (アメリカ合衆国)」の記事における「宗教: 敬虔な共和党員対典礼派の民主党員」の解説
宗教による棲み分けははっきりしていた。北部のメソジスト、会衆派教会、長老派教会、スカンディナヴィア系のルーテル派など敬虔な新教徒は共和党と堅く結びついていた。対照的に典礼派集団、特にカトリック教会、監督派教会、ドイツ・ルーテル派の信徒は敬虔な道徳観、特に禁酒強制から守ってくれる党として民主党を見なしていた。両党は経済的階級構造の中に入っていたが、民主党はその下層からの支持が多かった。 文化的な問題、特に禁酒と外国語学校の問題は、宗教がはっきりと選挙区を分けていたので重要になった。北部では、有権者の約50%が敬虔なプロテスタントであり、政府は飲酒の様な社会的罪を減らさせるべきだと信じていた。典礼派教会には有権者の4分の1以上がおり、個人的な道徳の問題に政府が立ち入らないよう望んだ。大半の州では禁酒に関する議論や住民投票が数十年間にわたって、政治の熱い問題となり、遂に1918年にはアメリカ合衆国憲法で禁酒を規定する修正が成立した(1932年には撤廃された)。民主党は禁酒反対、共和党は禁酒賛成という構図だった。 19世紀後半、アメリカ合衆国北部の宗教による投票動向宗教民主党支持率共和党支持率移民アイルランド系カトリック教徒 80 20 カトリック教徒全体 70 30 ドイツ・ルーテル派信条主義 65 35 ドイツ改革派 60 40 フランス系カナダ人のカトリック教徒 50 50 ドイツ・ルーテル派弱い信条主義 45 55 イギリス系カナダ人 40 60 イギリス家系 35 65 ドイツ・セクタリアン 30 70 ノルウェー・ルーテル派 20 80 スウェーデンルーテル派 15 85 ハウジアン・ノルウェー 5 95 アメリカ生まれ北部 クエーカー 5 95 自由意志バプテスト 20 80 福音主義 25 75 メソジスト 25 75 通常のバプテスト 35 65 黒人 40 60 長老派教会 40 60 監督派教会 45 55 南部 規律派教会 50 50 長老派教会 70 30 バプテスト 75 25 メソジスト 90 10 Source: Paul Kleppner, The Third Electoral System 1853-1892 (1979) p. 182
※この「宗教: 敬虔な共和党員対典礼派の民主党員」の解説は、「第三政党制 (アメリカ合衆国)」の解説の一部です。
「宗教: 敬虔な共和党員対典礼派の民主党員」を含む「第三政党制 (アメリカ合衆国)」の記事については、「第三政党制 (アメリカ合衆国)」の概要を参照ください。
- 宗教: 敬虔な共和党員対典礼派の民主党員のページへのリンク