女性の高学歴化と経済力の向上に伴う希望レベルの向上による未婚化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 14:29 UTC 版)
「少子化」の記事における「女性の高学歴化と経済力の向上に伴う希望レベルの向上による未婚化」の解説
日本では1947年-1949年の3年間(1944年-1946年の3年間は戦争激化と戦後の混乱のため統計なし)は、戦地や軍隊から家族の元に戻った男性の妻の出産や、戦地や軍隊から戻った男性と結婚した女性による出産が多いという特殊な社会条件があり、合計特殊出生率は4人台だったが、その後は減少し、第二次世界大戦終結から16年後の1961年には史上最初の1人台の1.96人になった。1963年以降は、丙午である1966年(1.58人)を除いて、1974年まで2人台であったが、1975年に1.91人と再び1人台を記録して以降2013年まで1人台が継続されている。 合計特殊出生率の算出対象である15-49歳は、1961年では1912-1946年生まれ、1975年では1926-1960年生まれであり、女性の大学進学率は1940年生まれでは10%未満、1950年生まれでは10%台後半、1960年生まれでは30%台前半、1970年生まれでは30%台後半であり、全体として戦後女性の高学歴化と少子化は同時に進行している。 人口を安定させるために必要な合計特殊出生率2.1を1975年以降下回っており、2022年時点では1.4の低さとなっている。過去20年間で20歳から64歳の働き手人口は、約1000万人も減少している。2022年時点でも結婚した夫婦における希望する子ども数2.32人、予定している子ども数は2.01人であり、結婚出生率も2015年1.94で40年前の1975年との比較でも僅か0.25ポイントの低下であり、この間の出生率の低下幅の半分に過ぎない。つまり、日本の少子化の原因は婚姻率の低下、未婚者の増加による影響である。 未婚女性への意識調査で9割が「いつかは結婚するつもり」との答えていることを根拠に出生率の低下は女性の晩婚化が主因と考えられてきた。しかし、女性の結婚願望は「良い相手がいれば」という条件付きであり、その条件は女性の高学歴化と経済力の向上にともない、年々高まっていることによる未婚化が主要因である。2020年の女性の平均初婚年齢は29.4歳に達しており、東京都では30歳を超えている。政府の少子化対策は、いずれも結婚した女性を対象とした利権であり、この未婚女性の出産の増加を促す対策にはほとんどなっていない。
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