天皇・皇后に瑜祇灌頂を授けるとは? わかりやすく解説

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天皇・皇后に瑜祇灌頂を授ける

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 07:59 UTC 版)

文観」の記事における「天皇・皇后に瑜祇灌頂を授ける」の解説

詳細は「絹本著色後醍醐天皇御像#内容」を参照 元徳2年1330年10月26日御節所(一説常寧殿のこと)において、文観瑜祇灌頂(ゆぎかんじょう)という儀式後醍醐天皇授けた(『瑜伽伝灯鈔』『十二代尊観上人系図』)。 この瑜祇灌頂というのは、主に『瑜祇経上下巻のうちの上巻序品を基礎とする灌頂授位儀式)である。「究極灌頂」「密教最高到達点」とも称され、相当な修行を必要とする、当時真言宗最高の神聖な儀式である。これより上は即身成仏しかない後醍醐肖像画として最も著名な絹本著色後醍醐天皇御像』(重要文化財清浄光寺)も、この瑜祇灌頂時の様子描いたのである。『瑜伽伝灯鈔著者の宝によれば高僧帝王とその正妃両方瑜祇灌頂授け事例は、三国インド中国・日本)のいずれの国においてもこれまで先例がなかったという。 確かに世俗身分かつ上皇ではなく天皇の地位にある後醍醐天皇が、最高の灌頂である「瑜祇灌頂」を授かったというのは、例外的な事例である。ただ、例外的ではあるものの、後醍醐道順・栄海・性円らか灌頂を受け、文観からは印可仁王経秘宝両部伝法灌頂といったものまで授けられているので、熟練僧侶同格修行こなしてきている。したがって正しい段階は踏んでいるため、流れとしては自然である。 なお、同年11月23日には「夢のお告げ」として、後醍醐中宮西園寺禧子にも瑜祇灌頂を受けさせている。後醍醐自身堅実に修行こなしてきたのとは違って、こちらは一飛ばしで受けさせており、かなり強引な例である。ただ、内田啓一によれば当時の人の感覚では、夢のお告げというのは相当に重要なものであり、まして天皇もしくは中宮の夢とあれば文観断れなかったのではないか、という。内田によれば後醍醐瑜祇灌頂気に入り夢のお告げという体裁で、どうしても夫婦揃って受けたかったのではないか、という。兵藤裕己によれば、『増鏡』「秋のみ山」などにみられるように、後醍醐と禧子は仲睦まじい夫婦だった。

※この「天皇・皇后に瑜祇灌頂を授ける」の解説は、「文観」の解説の一部です。
「天皇・皇后に瑜祇灌頂を授ける」を含む「文観」の記事については、「文観」の概要を参照ください。

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