天災は忘れた頃にやってくる
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/17 22:31 UTC 版)
天災は忘れた頃にやってくる(てんさいはわすれたころにやってくる)とは、自然災害はその被害を忘れたときに再び起こるものだという戒め[1]。「天災は忘れられたる頃来る[2]」、「天災は忘れた頃来る[3]」、「天災は忘れられた頃に来る[4]」などとも記述される。また、上記の「天災」の箇所は「災害」と書かれることもある[5]。科学者で随筆家の寺田寅彦による言葉[6]。
注釈
- ^ 中谷自身は、後述の随筆「天災は忘れた頃来る」において、"たしか東京日日新聞だったかに頼まれて『天災』という短文を書いたことがある"と記しているが、東京日日新聞というのは中谷の記憶違いだと推定される。
- ^ たとえば、サンデー毎日 74巻5号(1995) pp.109-110の記事タイトル「大地震フラッシュバック 「天災は忘れたころにやって来る」--過去の教訓は生かされたのか?」など。
- ^ たとえば、『港湾学術交流会年報』46巻(2012) pp.2-9の甘竹勝郎による論文タイトル「天災は忘れたころにやってくる:三陸大船渡からの警鐘」など。
- ^ ただし、これについては強い反論もある。そもそも比較対象であろう1970年代、1980年代にあっても、三原山噴火を始めとして天変地異的災害はしばしば発生している。「爆弾低気圧」「ゲリラ豪雨」といった事象は、降雨レーダー(アメダス)の高解像度化等で察知できるようになり、また携帯電話網の普及により災害情報の発信の迅速化が行われた結果、周知が迅速かつ広範囲になっただけのことで、特別近年に起こり始めた、頻繁になったものであるように言うのはナンセンスだとする意見もある。例えば、洞爺丸事故や飛騨川バス転落事故などは、近年の気象観測技術があれば防げていたものである。
出典
- ^ 『日本国語大辞典第2版』(2001) p.788
- ^ 高知市観光振興課. “寺田寅彦記念館”. 2018年2月26日閲覧。
- ^ a b c d 中谷(1988) p.270
- ^ a b 初山(2017) p.9
- ^ a b 初山(2017) p.10
- ^ 『事典日本の科学者』(2014) p.530 など
- ^ a b 藤岡(1942) p.35
- ^ 松尾(1999) pp.51-52
- ^ 中谷(2014) pp.19-20
- ^ 松尾(1999) p.52
- ^ 寺田(2011) p.60
- ^ 寺田(2011) p.63
- ^ 初山(2017) p.6
- ^ 寺田(2011) p.72
- ^ 初山(2017) pp.8-9
- ^ 朝日新聞 1938年7月9日 第7面
- ^ a b c d e 中谷(1988) p.271
- ^ 赤塚(1953) p.59
- ^ 初山(2017) p.7
- ^ “水防碑”. 大阪市浪速区. 2018年3月7日閲覧。
- ^ “過去の災害を忘れないために〜大和川の「水防碑」・「堤防安泰祈願の碑」〜”. 大阪市住吉区. 2018年3月7日閲覧。
- ^ a b 津村(2012) p.33
- ^ 初山(2017) pp.1-2
- ^ 大辞林第3版(2006) p.1749
- ^ 鈴木(2003) p.220
- ^ 池内編(2006) p.xv
- ^ a b 三好(2012) p.58
- ^ a b 池内編(2006) p.206
- ^ 岩崎(1992) p.81
- ^ 初山(2017) pp.2-5
- ^ 初山(2017) pp.7,11
- ^ 初山(2017) pp.10-11
- ^ 今村(1949) p.197。旧字、旧かなは現代表記とした。
- ^ 鈴木(2003) p.217
- ^ 中谷(1988) pp.271-272
- ^ a b 強靭化コラム① 災害は、忘れるまもなくやってくる 藤井聡、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会。2014年11月20日配信、2020年5月9日閲覧
- ^ a b もうひとつの学芸員室-天災は忘れる間もなくやってくる 2005年10月14日掲載、くすりの博物館。2020年5月8日閲覧
- ^ a b かわら版 No.1194 『天災は忘れる間もなくやってくる』 2019年10月15日掲載、野田佳彦。2020年5月8日閲覧
- ^ 寺田寅彦忌 「天災は忘れた頃にやって来る」昭和初期から「忘れる前にやって来る」令和へ Yahoo!ニュース(饒村曜)2019年12月31日配信、2020年5月8日閲覧
- ^ 寺田寅彦忌、天災は忘れないうちにやってきた平成30年 Yahoo!ニュース(饒村曜)2018年12月31日配信、2020年5月8日閲覧
- ^ 天災は忘れる前にやってくる 鳥飼否宇/著 光文社、2020年5月8日閲覧
- 1 天災は忘れた頃にやってくるとは
- 2 天災は忘れた頃にやってくるの概要
- 3 派生語
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