大ホールの映画館時代
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「滋賀会館シネマホール」の記事における「大ホールの映画館時代」の解説
1954年(昭和29年)6月15日、大津市の滋賀県庁前に滋賀会館が開館。当時の大津市内にはコンサートホールはもちろん百貨店も存在せず、大規模なイベントはきまって滋賀会館大ホールで開催された。滋賀会館は映画・演劇・音楽などを滋賀県民に提供する文化の発信拠点だった。地下1階地上5階建の滋賀会館内には滋賀県立図書館・ホテル・結婚式場・レストランもあり、1963年(昭和38年)には180組が滋賀会館で挙式している。建物1階には約1,100席の大ホールが設置されており、1998年(平成10年)に滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホールが開館するまでは、滋賀会館大ホールが滋賀県唯一の大ホールとして数々のイベントに使用された。 1953年時点の滋賀県には23館(大津市6館、彦根市3館、長浜市3館、郡部11館)、大津市には6館(大黒座、公楽座、大勝館、東洋劇場、大津日活、石山館)の映画館が存在した。1954年7月31日には初めて大ホールで映画の自主上映が行われ、初上映作品の『風と共に去りぬ』(ヴィクター・フレミング監督)は半月の上映期間中に12,229人の観客を集めている。9月1日には興行場の営業許可を取得して常設映画館となり、洋画を中心に上映を行った。都道府県が運営する映画館は全国でも珍しかったという。県営であることを活かして学校行事の映画鑑賞会などにも使用された。開館初年には18万人の入場者があり、2年目には26万人に増加した。 大津市の映画館一覧(1960年)館名所在地上映作品座席数大黒座 石橋町 洋画 580 公楽座 丸屋町 松竹・大映 440 大津東映(有楽座) 甚七町 東映 570 石山館 石山鳥居川町 松竹・大映・東映 340 東洋映画劇場 石山鳥居川町 日活・東宝・新東宝 320 滋賀会館 東浦1 洋画 1,630 1958年(昭和33年)頃が滋賀県の映画館数のピークであり、34館が存在した。1960年の大津市には6館の映画館が存在し、滋賀会館の座席数は他を圧倒する1,630席だった。滋賀会館は洋画のロードショー館であり、民間の運営する映画館が東映・東宝・大映・松竹などの邦画を上映した。ただし『七人の侍』(黒澤明監督)などの例外も存在する。 1962年(昭和37年)12月には70mmフィルム用の映写機が設置され、映写設備は京都市内の映画館をしのいで西日本最大と謳われている。しかし、貸館需要の増加や映画館入場者数の減少を理由に、1968年(昭和43年)には一般向け映画上映を縮小した。
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