変革期:2007年 - 2014年
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「Netflix」の記事における「変革期:2007年 - 2014年」の解説
2007年1月、Netflixは自社のコアビジネスを、それまでのDVDレンタルサービスからビデオ・オン・デマンド方式によるストリーミング配信サービスに移行した。2008年から2010年にかけては、大手メーカーと提携し、ゲーム機(Xbox 360、PlayStation 3、Wii)、ブルーレイディスクプレーヤー、インターネット接続テレビ、Apple製品(iPhoneやiPadなど)およびその他デバイスでの配信に対応していった。 しかし2011年9月、Netflixは自社のサービスからDVDレンタルサービスを独立させ、「クイックスター」(Qwikster)というブランド名で提供することを発表。DVDだけでなく、Xbox 360、Wii、プレイステーション3専用のゲームタイトルもレンタル可能にする予定だったが、利用者からは同社がストリーミング配信サービスと合わせてそれぞれ7ドル値上げしたことについて不満の声が上がり、第3四半期には約80万人もの会員がサービスを解約。さらに「クイックスター」という名前自体が、既にTwitterの個人アカウント名として使われていることが判明。翌月には計画全てを廃止することとなった。 2012年10月にはエミー賞より、ストリーミング配信を世に広めた功績が讃えられ、同賞の技術開発部門であるプライムタイム・エミー・エンジニアリング賞(英語版)を受賞。また、第4四半期にはアメリカ国内でのストリーミング配信サービスの利用者は2710万人に増え、売上高は9億4500万ドルとなった。2013年、インターネット界のアカデミー賞とも呼ばれるウェビー賞のMedia Streaming部門(音声・映像ストリーミングサービス対象)でWebby Award(審査員投票)とPeople's Voice Webby Award(一般投票)のダブル受賞を果たした。2014年4月、Netflixはアメリカでのストリーミング配信市場において32.3%のシェアを獲得。同年6月には企業ロゴのデザインおよびウェブサイトのUIを一新するリブランディングを行い、7月には全世界の会員数が5000万人を突破した。 ストリーミング配信で成功を収める一方、Netflixは既存作品の配信だけでなく、オリジナル作品の製作にも乗り出すようになる。中でも同社が2013年に配信を開始したドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』は、ケヴィン・スペイシーやロビン・ライトら有名俳優を主演に据え、映画監督のデヴィッド・フィンチャーがシリーズの製作総指揮を務めたほか、製作費として1億ドル(約123億円)もの巨額が投じられたことで話題となった。また、従来のテレビ放送のように毎週1話ずつではなく、1クール全話での一挙配信を行ったことにより、アメリカ国内では俗にいう「一気見」をする人が続出、社会現象となった。続いて製作された『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 塀の中の彼女たち』もヒットし、同2作はドキュメンタリー映画『ザ・スクエア』も含めて、プライムタイム・エミー賞で31のノミネートを獲得。『ハウス・オブ・カード 野望の階段』は3つのプライムタイム・エミー賞を受賞し、『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 塀の中の彼女たち』は2014年に7つのクリエイティブアート・エミー賞を受賞。これにより、映像コンテンツ製作会社としての地位を確立していった。
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