壮麗王の時代と建築家スィナンとは? わかりやすく解説

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壮麗王の時代と建築家スィナン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 05:44 UTC 版)

オスマン建築」の記事における「壮麗王の時代と建築家スィナン」の解説

ミマール・スィナンは、スレイマン1世による帝国最盛期オスマン建築代表する建築家である。彼は非イスラム教徒家庭ギリシアと言われる)に生まれたとされるが、デウシルメ制度によって徴集されイスラーム改宗しイェニチェリ常備歩兵軍)の工兵隊入隊した。やがて建設才能認められ近衛騎兵隊に取り立てられ1538年帝室造営局長任命されて、以後宮廷建築家として才能発揮した。彼は、ほぼ同時代生きたミケランジェロ・ブオナローティ比肩しうるほど非凡な才能持った革命的建築家であったそれまでオスマン建築様々な形態を寄せ集め結果的に曖昧な空間になっているのに対しスィナンはそれを論理的に組み立て直し全体調和したものに変えてしまった。オスマン建築は、彼によって完成の域に達したのであるスィナンのはじめての大きな仕事シェフザーデ・ジャーミー設計であった。このモスクエディルネバヤズィト2世モスクプラン下敷きにしているが、四方半ドーム付け加えられ集中的な性格が強いもので、絶妙バランス感覚の上建設されている。スィナン自身はこれを習作とするが、そのプロポーション完成度がかなり高い。 1550年に、スィナン代表作となるスレイマニィエのキュッリイェの建設工事の命を受けたイスタンブール7つの丘のうち、斜面から金角湾を望むうちのひとつが敷地として選ばれ中心となるモスクには高い記念性を要求されることになったスィナンシェフザーデ・ジャーミー元にしたプラン計画したが、半ドーム四方ではなく前後の2辺に設置することによってアヤソフィアに近い構成にしている。しかし、アヤソフィアギャラリーを持つことによって一定の方向性持っているのに対し、スレイマニィエ・ジャーミーではギャラリー廃して広々とした空間演出している。また、内部空間完成度の高さの割に、アヤソフィア外部比較無頓着であるが、スレイマニィエでは内部空間形成するボリューム外部立面上手く調和し完結している。 スィナン生涯において多く建築設計したが、その最晩年建築となるのが、エディルネのセリミィエのキュッリイェである。彼自身最高傑作称するモスクは、ドーム直径が31.28mに達す巨大なもので、平面はほとんど点対称である。構造的に素晴らしくドームは8本の円柱とそれらに渡されアーチによって支えられ、これをフライング・バットレス支えることによって広大な内部空間形成する開口部ふんだんに穿たれており、内部は非常に明るい。キュッリイェの他の施設は、モスク付随する2つ建築物収められており、全体プランは完全な対称性保っていた。 スィナン没後帝室モスクはそのデザイン源泉スィナンあらゆる建築中に求めたが、決し彼の想像超える建築物造られなかった。イェニ・ジャーミースィナン後継者であるダウト・アーによって設計されたが、彼は1599年処刑されてしまい、1633年完成したこのモスクは、スィナンのものと比べるその構成はかなり見劣りするものとなったスィナン以後モスクで最も有名なものはスルタンアフメト・ジャーミーで、国際的にブルーモスク通称知られる。これは1609年にメフメト・アーによって設計されたもので、彼はイスラム教徒ではなく西ヨーロッパ生まれでのキリスト教徒であったブルー・モスク今日イスタンブール観光名所として名高い内部空間には広がりがあり、ステンドグラスによる淡い光とイズニック・タイルの装飾は非常に美しい。

※この「壮麗王の時代と建築家スィナン」の解説は、「オスマン建築」の解説の一部です。
「壮麗王の時代と建築家スィナン」を含む「オスマン建築」の記事については、「オスマン建築」の概要を参照ください。

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