塔心礎納置品とは? わかりやすく解説

塔心礎納置品

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 11:29 UTC 版)

飛鳥寺」の記事における「塔心礎納置品」の解説

書紀によれば推古天皇元年593年)、飛鳥寺の塔心礎(塔の心柱礎石)に仏舎利が埋納された。後世仏塔では地表心礎据えるが、飛鳥寺の塔心礎地下式で、大きさ東西2.6メートル南北2.4メートル計る飛鳥寺の塔は建久7年1196年)に落雷焼失した。翌建久8年1197年)に東大寺の僧・弁暁が記した本元興寺塔下出御舎利縁起によれば、弁暁は焼失した飛鳥寺の塔の心礎から仏舎利荘厳具取り出し、再び埋納したという。これらの埋納物は、1957年昭和32年)の発掘調査心礎周辺から出土した出土品には、挂甲上古のよろいの一種)、馬鈴刀子、玉類など、古墳副葬品共通するものが多い一方で金銀延板など奈良時代寺院鎮壇具共通するものも含まれており、古墳時代飛鳥時代両方特色をもっている。これら出土品日本最古仏塔心礎に埋納された遺物として貴重なのである。なお、心礎の2メートルほど上方出土した金銅製(金メッキ)の舎利容器と、これを入れていたヒノキ材製の外箱鎌倉時代の再埋納時に新たに作られたものであり、創建当初舎利埋納状況は明らかではない。 塔心礎出土品列挙する以下のとおりである。これらは奈良文化財研究所飛鳥資料館にて保管展示されている。 鉄製挂甲1領 蛇行状鉄器1点 青銅馬鈴1点 刀子12点 砥石1点 金銅金メッキ製品 - 耳環23点以上、歩揺146点以上、鍔付半球金具2点円形打出金具14点杏葉打出金具28点以上、鈴7点 玉類 - ガラス小玉ヒスイ製勾玉瑪瑙勾玉ガラス勾玉碧玉製管玉、水晶切子玉銀製空玉、銀製山梔玉赤瑪瑙製丸玉、ガラストンボ玉 その他 - 金延板7点金粒1点、銀延板5点、銀粒7点雲母片、琥珀片、石片凝灰岩製) 鎌倉時代製品 - 舎利容器灯明皿舎利容器外箱材) なお、塔跡出土品の再整理の際、従来材質不明とされていたもの中に真珠小玉14点含まれていることが奈良文化財研究所調査判明し、同研究所2017年紀要調査結果公表された。これらの小玉直径1.5から2ミリメートル微細なのであるが、穿孔されている。蛍光X線分析主成分カルシウムであると判明したこと、電子顕微鏡による観察層状構造確認できたことから、これらの小玉真珠であると判断された。

※この「塔心礎納置品」の解説は、「飛鳥寺」の解説の一部です。
「塔心礎納置品」を含む「飛鳥寺」の記事については、「飛鳥寺」の概要を参照ください。

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