地球人への思い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/06 03:50 UTC 版)
雪野弥生として地球人と共に暮らしていくうちに、彼女の中で彼らへの愛情が芽生えていった。特に、雨森始と育て親である老夫婦・雪野夫妻の存在は弥生にとって大きかったといえる。 漫画版では、弥生は始との別れ際に自分が歴代の1000年女王から記憶や心を引き継いでおり、その中に彼の先祖である原人ソフを愛した女王の心もあることを明かしている。そのため、始に対して彼女が強い思いを抱いているのは、過去の女王が愛していたソフへの思いなどを引き継いでいることが大きく影響しているように描写されている。 TV版において当初は地球人を能力の優劣だけで選別し、有能な者だけ助けてラーメタルに連れて行こうと考えていたほか、始の行動を不思議に思う部分もあった。だが、亡くなった両親の教えに従って人のために捨て身になれる始の姿や、たとえ一人になっても両親が眠る地球を見捨てないという彼の思いにラーメタル人の彼女も次第に感化されていく姿が描かれた。地球人を宇宙船で自分の星へと連れ去ることについては、彼女自身も本来ならば自分の星の問題は自分の星で解決するべきであり、そのためにラーメタルを支える労働力として地球人を自分の星に連れて来るということはよくないと思っていた。始に自分の正体を明かし、彼から指摘された際にはその旨を語っているほか、誘拐した科学者たちにはラーメタルとの衝突に備え、少しでも多くの地球人を救いたいとする自分の思いを伝えて説得を行っていた。 また雪野夫妻に対しては、漫画版では2人が経営するラーメン屋の自宅を地下大空洞内のジャングルに家ごと移動させており、地下生活で便宜を図っている。このほか、TV版では実の母である聖女王よりも本当の親のように思えると始に語った(34話)ほか、最終回では遺言として思慕の情を録音した宝石箱を遺しており、2人の元でずっと暮らしたかったという思いを伝えている。漫画版でも、ラーメタルから地球人を連れて地球に戻る前に大空洞にある自宅を始と共に訪れ、2人に別れを言いに来た際にはこれまで自分を育ててくれたことに対し感謝の念を示している。 TV版の終盤では超能力により、大津波から育て親のいる東京を守るべく津波を押し留めたり、夜森の罠により始と共に水沈する伊豆大島に置き去りにされた際には、始を助けるべく島を地面に浮上させた他、災害から逃げ遅れた人々を乗せたトラックが川の氾濫で水没しそうになった際には自ら現場に赴き、それを浮上させて安全な場所に移して人命救助に当たるなど、一人でも多くの地球人を守ろうとする姿が描かれた。聖女王の元を訪れた際には地球人の素晴らしさを彼女に説き、地球人のことを「宇宙で一番優れた人々」とまで言い切っている。 漫画及び映画版では、ラーメタル人が1000年女王を派遣して純粋だった地球人を戦う生命体にしてしまったことに対して、自分もまたラーレラの命に従ってそのように仕向けたことに責任を感じており、ラーレラに対し「(ラーメタル人は)もうこれ以上地球に手を触れてはいけない」として、(母星と共に滅びる運命にあろうとも)自分の星に帰るべきだと説いている。
※この「地球人への思い」の解説は、「雪野弥生」の解説の一部です。
「地球人への思い」を含む「雪野弥生」の記事については、「雪野弥生」の概要を参照ください。
- 地球人への思いのページへのリンク