固定刃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 14:58 UTC 版)
固定刃(英: fixed blade (knife))あるいは「固定ナイフ 英: fixed knife」はナイフの基本形である。もともと最古のナイフは固定刃であったし、古代でも中世でも現代でも、固定刃はナイフの主流である。製作しやすく、また可動部が無い分、堅牢である。特に、刃渡りの長さが必要とされる用途ではこれに限られる。 携帯する場合には刃を鞘に納める。鞘は伝統的には革製や木製で、金属製の場合には刃を保護するために木製などの入れ子が設けられる場合がある。近年では合成皮革製や樹脂製もある。キッチンナイフも固定刃だが、欧米ではキッチンの調理台の上にナイフスタンドを置き、そこに数本のキッチンナイフを刺しておくのが一般的。工作用などでも固定刃は多いが、持ち歩かず家の中で特に頻繁に使用する場合は、鞘にいちいち入れるとやや不便なので、ペン立てに刃を下にして立てたり、場合によっては引き出しにそのまま入れたりする人もいる。欧州ではペーパーナイフはデスク上の優雅なデザインの「文具皿」にむき出しで置いておく、というのがひとつのスタイルである。 2011年9月にドネツィクで開催された鍛冶職人フェスティバルにて、陳列された多様な刃物類。流通しているナイフを無作為に並べると固定刃が圧倒的に多くなる。 フィンランドのプーッコ アラブのナイフ。固定刃。 ハンティングナイフ(ハンターナイフ)。固定刃。 ハンターナイフ。固定刃。 ダガー。固定刃。 キッチンナイフ。固定刃。 陳列されたフィリピンのボロ。山刀として使えるよう大型の固定刃を持つ。 ペーパーナイフ。固定刃。 「シースナイフ 英: sheath knife」は、固定刃のナイフの中でも特に保管時に刃をシース(鞘)に収めるものをそう呼ぶ。鞘にベルト等を通す穴が空いているものも多く、腰につけておけば、必要時には素早く出せる。 「ブーツナイフ」はブーツに鞘を取り付けて使用するもの。なお特殊な装着位置のものには、実用的な機能の他、秘匿を目的とする、後述するファイティングナイフやダガーの類がある。 ボウイナイフは1836年のアラモ砦の戦いに守備側で参加したジェームズ・ボウイ大佐が使用したナイフを原型とする、やや大ぶりで片刃のナイフである。武器であると同時に日用品としても利用でき、一般にいうところの登山ナイフやサバイバルナイフの原型となっている。
※この「固定刃」の解説は、「ナイフ」の解説の一部です。
「固定刃」を含む「ナイフ」の記事については、「ナイフ」の概要を参照ください。
- 固定刃のページへのリンク