団結と派閥主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 15:21 UTC 版)
「ジョージ・ワシントンの辞任挨拶」の記事における「団結と派閥主義」の解説
ワシントンは、アメリカ国民に対する警告を、国の独立、国内外での平和、安全および自由が全てアメリカ合衆国諸州の団結に掛かっていると説得することで始めている。憲法で創設された諸州の統一体は、国内外の敵によって最も頻度多くかつ集中的に攻撃されるようになるという警告になった。アメリカ国民は、連邦を捨てようという者、国の一部を分離させようという者、あるいは憲法でその結びつきを強めている連邦の絆を弱らせようという者に疑念を抱き、軽蔑するべきと警告している。連邦の力を強めるために、人々に国に対する一体感を、州や都市あるいは地域に対する一体感の上におき、国に対するその努力や感情を地方的な他の全てのことに優先させるよう勧めている。さらに人々に、宗教、しきたり、習慣および政治的な原則における僅かな差を超えて物事を判断し、その独立と自由を最優先することを求めている。 ワシントンは続けて、この国、地域およびそこに住む人々は既に皆で共有している連邦から恩恵を受けていると考える幾つかの例を挙げて、連邦に対する支持を説明している。将来彼の考え方を共有すれば、国民の努力を組み合わせそれを資源とすることで、外国の攻撃から国を守り、競争心や外国との競合関係から起こることの多い隣国との戦争を避けさせることになると考えている。連邦によって与えられる安全保障は、自由特にアメリカ合衆国が創設された共和制の自由に対する最大級の脅威と見なしている軍事力の肥大化も避けられると主張している。 ワシントンはアメリカ国民に、アメリカ合衆国の領域があまりに大きすぎて共和国として統治できないという人々あるいはその集団の隠された動機を追及するよう警告している。それは多くのギリシャ哲学者が行った議論であり、後にルイジアナ買収が提案されたときの議論で、大きな共和国が機能できないと判断する前に少なくとも機能するという実験をする機会を人々に与えることを求めていた。続いて、派閥主議の危険性について、その真の動機は権力を得て政府を支配しようという地域や人々の間に不信や競争心を生み出すことにあると主張して、強い警告を与えている。ワシントンは、その在任中に成立されたスペイン領メキシコおよびイギリス領カナダとの西部境界に関する条約、それぞれピンクニー条約とジェイ条約という2つの条約を取り上げ、これらによって西部の農民がミシシッピ川を下ってニューオーリンズまで産品を運ぶことができる権利を確保したと指摘した。この2つの条約は大西洋岸に並ぶ東部州や連邦政府がアメリカ国民全ての福祉を求め、統一された国家として外国から公正な処遇を勝ち取った証拠として挙げられた。
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