四天王時代・井山時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 04:12 UTC 版)
「名人 (囲碁)」の記事における「四天王時代・井山時代」の解説
2000年の第25期には、依田紀基が二度目の挑戦で趙を4-0で下し、タイトルを奪取した。これにより名人位は、23年ぶりに木谷一門の手から離れることとなった。依田は趙の2度にわたるリターンマッチ、史上最年長での挑戦となった林海峰などを撃破し、4連覇を果たす。 2004年、挑戦者として張栩が登場。依田を下し、24歳の若さで史上5人目の名人本因坊の地位に就いた。さらに2006年には高尾紳路がリーグ初参加初挑戦(史上初)。このシリーズ第4局はコウ争いに次ぐコウ争いとなり、364手という激闘となった。これを制した高尾はその勢いのまま名人を奪取し、史上6人目の名人本因坊となる。しかし翌年には張栩がすかさずこれを奪回、2008年には史上最年少19歳で名人戦挑戦者となった井山裕太を迎え撃ち、4-3で防衛。翌年には名人含め、現行七大タイトル史上初の五冠を達成した。 しかし2009年、井山裕太はリーグ戦を8戦全勝で勝ち上がり、前年に続き挑戦権を獲得。その勢いのまま4-1で張栩を撃破、史上最年少で名人の座に就いた。なお、20歳4ヶ月での獲得は、7大タイトル戦でのタイトル獲得の最年少記録でもある(その後、芝野虎丸に記録を破られる)。井山は翌年も高尾紳路の挑戦を4-0のストレートで退け、若き実力者として君臨した。 2011年、山下敬吾が8年ぶりに七番勝負に登場。井山を4-2で破って初の名人位を獲得するとともに、史上7人目の名人本因坊となった。翌2012年は、井山とのプレーオフを制して羽根直樹が名人初挑戦を果たしたが、フルセットの末に山下が防衛を決めた。 2013年の第38期には井山裕太が挑戦者として再登場、4-1で山下を降し、36期の雪辱を果たした。翌2014年には、七番勝負初登場となった河野臨が挑戦者となるが、井山は4-2のスコアで勝利、2連覇となった。2015年にも井山は高尾紳路をストレートで降し、その勢いのままに2016年には史上初の七冠独占を果たす。しかしこの年の第42期名人戦では、高尾が4-3で名人位を奪取して、井山のタイトル独占を切り崩してみせた。 2017年、井山は高尾に奪われた名人以外のタイトルを全て防衛し、名人リーグも8戦全勝で勝ち上がって挑戦権を獲得。七番勝負では高尾を4-1で降し、再度七冠王に君臨した。これらの功績により、井山は2018年に囲碁界では初となる国民栄誉賞を受賞した。 無敵とも見えた井山だが、2018年の第43期には張栩が1勝3敗から後を3連勝し、10年ぶりの名人奪回を果たした。 2019年の第44期では初挑戦の芝野虎丸が4勝1敗で張をくだし、七大タイトル史上最年少での名人位を獲得(19歳11ヶ月)した。 翌年2020年の第45期、勢いに乗る芝野は三冠までタイトル数を伸ばし、挑戦者の井山も三冠であった為、史上初の三冠同士による名人戦となった。囲碁界の覇権を占う頂上対決であったが、井山が4-1と圧倒し奪取、4年ぶりの大三冠復帰になると共に、4度目の名人戴冠となった。続く2021年の第46期では初挑戦の一力遼をフルセットの末に下し防衛。近年入れ替わりが激しかった名人戦において7年ぶりとなるタイトル保持者の防衛成功となった。
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