古典イスラーム法(シャリーア)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 03:47 UTC 版)
「性的同意年齢」の記事における「古典イスラーム法(シャリーア)」の解説
古典イスラーム法(およびそれによって導かれる保守的イスラーム)では、結婚以外の性交は基本的に死罪(絞首刑、石打ち、斬首刑)に値すると定められているため、婚姻最低年齢が事実上近代イスラーム法における性交同意年齢となる。 イスラーム法では、預言者ムハンマドが9歳の少女アーイシャと結婚を行ったとするハディースに従い、女子の婚姻最低年齢を9歳とする解釈がある。 男児は地域によっても違いがあるが、おおむね10 - 14歳で結婚が可能とされる。このため、現代においては医学的に見て児童の範疇に属する少女と成人男性との婚姻も、イスラーム法上は合法(ハラール)である場合が少なからず見られる。ただしこれは前近代の他の地域の法体系も同様であり、社会的な人権保障の水準が現在とは比べ物にならないほど低かったことを示すもので、イスラームの特殊性に帰せられるものではない。 このような行為は児童性的虐待に分類されるのが通常であり、現代社会においては肉体的・倫理的観点からして現代イスラーム社会の国において人道上の人権侵害と認識され、性的同意年齢は非イスラーム諸国同様の水準に落ち着いている。しかし一部にはイスラーム法の厳格な適用を行う国家がいまだに存在しており、12イマーム派のイランやワッハーブ派のサウジアラビアでは女児の結婚最低年齢(性的同意年齢)は9歳である。そして実際にそのような早婚もあり、国際連合からも強い批判がある。 国際連合は2014年11月、国際連合決議を採択し、加盟国すべてに対し児童婚を禁止し、それを防ぎ、違反者に罰則を設ける法律を可決し、これを実施することを義務付けた。国連総会の人権委員会は、この決議を採択することで、すべての国に対して、子供に対する結婚の強制を完全に止めさせるための真剣な措置を取るよう求めている。
※この「古典イスラーム法(シャリーア)」の解説は、「性的同意年齢」の解説の一部です。
「古典イスラーム法(シャリーア)」を含む「性的同意年齢」の記事については、「性的同意年齢」の概要を参照ください。
- 古典イスラーム法のページへのリンク