卵殻の利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 02:27 UTC 版)
鶏卵の卵殻は主に炭酸カルシウムからなる。この卵殻を粉砕して得られる粉末は多孔質となっており、鉱物由来のものに比べ食品用途における消化・吸収性が良好である。安全性も高く、資源枯渇の可能性も低い。 鶏卵の殻の利用方法としては、肥料として盆栽の鉢に添えることもある。工業製品としては土壌改良剤のほか、チョーク(白墨)や校庭用白線ガイアフィールドライン[リンク切れ]、壁紙「エッグウォール」、また炭酸カルシウムの硬度が比較的柔らかいことを生かしてガラス製品や金属部品などの傷つきやすい物への研磨剤の材料となる。また食品・医薬品の分野では、麺類に歯ごたえを与える用途のほか、栄養素カルシウム強化用として麩菓子やかりんとう、マーブルチョコレートのコーティング剤、ウエハース、たまごボーロやビスコをはじめとする乳幼児用ビスケットや保存食としての乾パンの原料にも使われる。同様に漢方(和漢薬)では、骨折や年寄って骨が脆くなった老人(骨粗鬆症)やリウマチのような疾患に、薬研で粉に挽いたものが牡蠣粉(ボレイ末)焼成貝殻粉末とともに室町時代頃より処方されてきた。少林拳では、同様にカルシウムによる骨を丈夫にするために、ゆで卵を卵殻ごと摂取する修行も伝わっている。 昭和初期に着色した卵殻による絵画制作の技法である卵殻モザイクが、山梨男子師範学校(現在の山梨大学)の教諭、矢崎好幸により創案されている。
※この「卵殻の利用」の解説は、「鶏卵」の解説の一部です。
「卵殻の利用」を含む「鶏卵」の記事については、「鶏卵」の概要を参照ください。
- 卵殻の利用のページへのリンク