卵殻部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 02:27 UTC 版)
卵殻は硬く表面には多数の細かい気孔があり、胚の呼吸や水分の調整を担う。主に無機質(ミネラル)から構成される層で、その両面に配置されるクチクラ層や卵殻膜を合わせ、400 μm前後の厚さの層を形成する。さらに外層から以下の構造に分けられる。 クチクラ層 主に糖タンパク質からなる膜状の層。厚さ10 μm程度。簡単な洗浄や摩擦で失われ、市販卵では取り去られている。 卵殻 スポンジ基質 有機物からなるスポンジ状の構造に無機質が沈着したもの。炭酸カルシウムを主成分とするが、最外層の部分ではマグネシウムやリン酸塩がやや増加し、卵殻強度を高めているといわれている。 乳頭突起 卵殻内面に認められる突起群。鶏卵管における卵殻形成過程の名残で、先端部は卵殻膜に食い込んでいる。 卵殻膜 厚さ70 μm程度の脂質や糖質を若干含む、主に蛋白質からなるμm単位の網目を持つ格子状に組まれた不織布状繊維により構成される。卵殻膜はさらに50 μm厚の6層から成る外層(外卵殻膜と呼ぶ)と、20 μm厚の3層から成る内層(内卵殻膜と呼ぶ)に分かれ、外層と内層は気室の部分では別れて存在している。保湿性と呼吸のための通気性に優れている。 気孔 卵殻の表面は不織布状に形成された炭酸カルシウムであり、気孔と呼ばれるμm単位の小さな網の目状の穴が無数に開いている。ここから内部の水分や炭酸ガスが発散される。
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