卵汚染問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 02:51 UTC 版)
詳細は「en:2017 Fipronil eggs contamination」を参照 2017年7月から8月にかけて、オランダ食品消費者製品安全庁 (NVWA) によって高レベルのフィプロニルに汚染された鶏卵が発見された後、数百万の鶏卵がオランダ、ベルギー、ドイツ、フランス、韓国、マルタ島の市場から売却または撤去された。約180のオランダの農場が一時的に閉鎖された。ドイツのマーケットチェーンAldiは8月上旬、予防措置として、ドイツの店舗で販売されているすべての卵を撤去すると告知した。この鶏卵汚染問題は、EU加盟国の15か国の他、スイス、香港にまで波及した。 フィプロニルに汚染された卵は、今回の発見以前から長い間販売されていた可能性がある。オランダ当局は、2016年11月の段階で卵がフィプロニルで汚染されている事を発見していたが、その結果を伝えられなかったという匿名の通報があった。 捜査 フィプロニルは、農薬として農作物に適正に使用した結果残留する濃度であれば合法であるが、鶏舎に使用するのは違法であるため、捜査が行われた。 オランダとベルギーにある害虫駆除会社2社で捜査が行われた。 オランダの害虫駆除業者「ChickFriend」が、何百軒もの鶏の農家にフィプロニルが混ざったダニ駆除用界面活性剤 DEGA-16 を使用・販売していた疑惑がある。8月10日に大規模な検挙が行われ、オランダ人オーナーが逮捕されている。 ベルギーの害虫駆除業者「Poultry Vision」は、「ChickFriend」にフィプロニルが混ざったDEGA-16を販売した罪に問われている。同社が、ルーマニアにある化学会社から6m3のフィプロニルを輸入したことが捜査で判明している。 【補足】 DEGA-16自体は、鶏の厩舎を清掃するために承認された清潔で衛生的な天然由来製品である。 8月8日に、オランダ安全委員会はオランダ当局の隠蔽容疑についての公式調査を開始したとアナウンスした。 報告されたフィプロニル濃度 卵中のフィプロニル最大残留限界は、EUの2005年2月23日の会議で『Regulation (EC) No 396/2005』が定められた検出限界0.005 mg/kg とされた。WHOの毒性評価分類は、Class II: moderately hazardousで毒性が下から2番目の殺虫剤としている。 オランダ食品消費者製品安全庁(NVWA)は、オランダのある養鶏場の卵の試験結果が、0.72 mg/kg の閾値を超えたことを報告した。この閾値を超えるフィプロニルを含む卵は、健康へ悪影響をもたらす可能性がある。
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