加圧式(圧力式)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 14:01 UTC 版)
石油ガスに圧力を加えることにより液化する方式。加圧式で大容量のタンクは難しいため、主に内航用など小型のLPG船に用いられる。
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加圧式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 21:19 UTC 版)
原理は1892年(明治25年)にスウェーデンで開発された。何らかの方法を用いて燃料タンク内を加圧し、噴霧気化させた灯油をバーナーで燃焼させる方式。点火後は、ヒートパイプを用いて燃焼バーナーの熱をタンクに導いて加温することで、加圧・気化が行われるので、加圧作業は基本的に点火時のみでよい。消火時は、タンクの減圧コックを開いて圧力を抜く(デコンプ)ことで消火する。 この“何らかの方法”には、通常、人力による加圧(ポンピング)が使われる。しかし、この作業は煩わしいもので、しかもそれなりに力を必要とするため、女性にとっては酷な作業でもあった。そこで、別の着火の容易な燃料を用いて点火し、後に灯油に移行するという方法が開発された。この点火用燃料には、日本においては、当初ガソリンが用いられた。これによりユーザーはそれまでのポンピング作業から開放され、製品はいずれも大ヒットとなった。しかしその結果、加圧式の衰退後、後々まで禍根を残す「ガソリン・灯油取り違え」事故が多発したほか、灯油よりもはるかに引火性が高く取り扱いに難のあるガソリンの保管・給油時の事故(当時は自動車の普及がほとんどなく、ガソリンの危険性は一般に周知されていなかった)や、デコンプせずにバルブのみ閉じて消火した後、タンクやバルブが残熱で破損する事故なども発生した。 当初、調理用のコンロとして、日本ではコロナや東陽技研工業(ダイニチ工業の前身)が製造・販売を行っていた。この燃焼機構をもとに、コロナが1955年(昭和30年)に暖房用の「加圧式石油ストーブ」を開発、発売し、大ヒットとなった。 しかし、1957年にヤナセが輸入代理店となって、上記芯式のI.R.ヒーター(ブルーフレームヒーター・シリーズ15)が日本で発売されると、家庭暖房用に関しては、日本国内メーカーも芯式のストーブへと移行。取り扱いの簡便さと安全性で及ばない加圧式は間もなく姿を消した。 その後、調理用石油コンロとしては、ガスと異なり供給設備が不要なこと、芯式の石油コンロでは火力で及ばないことから、しばらく卓上用のポータブルコンロとして生き残ったが、この用途でも、1969年に岩谷産業がカセットガスの卓上用ポータブルコンロ「カセットフー」を開発・発売すると、やはり安全性・取り扱いの簡便性から、急速に交代して行った。 現在も残る加圧式石油ストーブは、いわゆるコンパクトストーブと呼ばれるレジャー・屋外用ポータブルのコンロである。加圧方式は、小さいものではポンピング方式が主流だが、この用途にもキャンピング用カセットガスが登場し、その簡便性からシェアを伸ばしている。しかし、ボンベ・カセットカートリッジ供給の液化ガスは自らの気化熱で温度が下がるという特性があり、これに日本の冬季の低温が加わると、気化不良を起こす場合があるため、加圧式石油ストーブも一定のユーザー層を確保している。より大きいものでは、余熱式が主流だが、ガソリンの取り扱いの難しさや消防法による制限から、カセットガスを点火用熱源とするものが多い。バーナーの他、ランタンも存在する。 灯油を加圧気化して燃焼させるという根底の機構そのものは、加圧加温に電気を使う石油ファンヒーターへと受け継がれることになる。
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