加圧反応のメリット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 08:36 UTC 版)
「オートクレーブ」の記事における「加圧反応のメリット」の解説
加圧して反応を行うのには、以下のようなメリットがある。 ある溶媒を用いた反応をその溶媒の1気圧における沸点以上の温度で行いたい場合がある。この時、不活性ガスを用いて圧力をかければ沸点が上昇するので1気圧における沸点よりも高い温度で反応を行うことが可能になる。 気体との反応を行う場合、その反応速度は気体の溶媒中の濃度、すなわち溶解度が高いほど加速される。ヘンリーの法則の通り、気体の溶解度はその圧力が高いほど高くなるので高圧での反応が有利である。また気体を溶解させるには撹拌して気体の泡を溶液に抱きこませる方法が効率的である。そのため、単なる封管よりも撹拌装置を備えたオートクレーブの方が有利となる。 また加圧することによって平衡が生成系へ移動したり、反応が加速されたりすることがある。反応ギブズエネルギーの圧力による偏微分は反応による体積変化であるので、反応により体積が減少するような系では加圧により平衡が生成系側へと移動する。同様に活性化ギブズエネルギーの圧力による偏微分は遷移状態へ移行する際の体積変化であるので、コンパクトな遷移状態をとる必要がある反応、例えば環化反応では加圧により反応が加速される。
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