副操縦士の異常行動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 16:07 UTC 版)
「エジプト航空990便墜落事故」の記事における「副操縦士の異常行動」の解説
また、事故時の副操縦士であった男に不可解な行動が多く、「神を信頼する」という言葉を11回、また「コントロールしろ」など意味不明な言葉を唱えた他、上空で勝手に自動操縦を解除した上でエンジンへの燃料供給をカットしたり、機体の速度や構造強度の限界を全く無視して急降下操作を行ったりした(その間機内は一時的な無重量状態であり、席を外していた機長はその無重量状態の中、操縦席へ向かった)。 また、操縦席に戻って来た機長の機体状況に関する問いかけに対して、副操縦士は全く応答せず、機長の回復操作にも協力はしていない。このため、アメリカ側やラシュディ側の遺族は明らかに副操縦士の行為が原因と認定しているが、エジプト側の主張では、これは突然の昇降舵の不具合に対して副操縦士が必死にリカバリー操作を行っていたからだと主張している。 事故原因とされる副操縦士の男は3か月後に定年を迎える古参の社員であり、事故当日は大西洋上空の巡航のみ担当するバックアップ要員であった(当該航路は飛行時間が長いので、離着陸を本来の機長と副操縦士が担当し、大西洋上を自動操縦する間の一部をバックアップのクルーが担当する2シフト制だった)。しかし、なぜか男は離陸後間もなく、本来の副操縦士に対して強く交代を要請した。本来の副操縦士は当初は交代を渋ったが、結局は年長の男を敬う様な形で応じている。 エジプト航空の同僚や、事故後の調査に協力したことを咎められ、その結果イギリスに家族ぐるみで亡命した元同僚の証言によれば、男は素行に問題があり、アメリカでの宿泊地にて数度に渡りセクハラを起こしており、同僚から何度も注意や警告をされていた上、事故前夜にも問題を起こしていたことから、当日の機長である男性に以後のアメリカ便の乗務の禁止を言い渡されていた。男の異常行動には、宿泊中のホテルで女性客に電話をかけ、窓から自分の下半身を見るよう誘ったり、ホテルの女性従業員を部屋に誘おうとするなど、過激なものも多数ある。 また、翌年に迫った定年までに、一度も機長を経験できなかった点について劣等感があったとされる。なお、セクハラ問題については男の遺族も認めている。
※この「副操縦士の異常行動」の解説は、「エジプト航空990便墜落事故」の解説の一部です。
「副操縦士の異常行動」を含む「エジプト航空990便墜落事故」の記事については、「エジプト航空990便墜落事故」の概要を参照ください。
- 副操縦士の異常行動のページへのリンク