制定の経緯・歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 14:32 UTC 版)
児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(児童買春法)施行(1999年)以前には児童買春もこの淫行条例違反として検挙されていた。売春防止法第3条で単純売春(例:愛人や妾などが複数の者と同様の関係を結び対価を受け取る)や買春自体を禁止してはいるが罰則は規定されておらず、また同法第5条規定の罰則では出会い系・テレクラ・街頭での勧誘等公衆の目に触れる形での勧誘などが処罰対象である。 すなわち、この児童買春法施行以前、唯一の売買春関連法令てある売春防止法には買春する側の男性に対する罰則がなかった。当時、児童福祉法においての「児童をして自分自身と淫行をさせる行為」は広く曖昧で運用上基本的に適用された例があまりなく、淫行条例のない自治体で児童買春をしても罰するのが難しい状況であった。そのため児童買春法以前の淫行条例に関する議論や、援助交際(買春)に対する罰則をより明確に規定した法律の導入を求める署名活動・陳情などは児童買春の問題が中心になりやすかった。 淫行処罰規定は和歌山県が1951年に青少年条例に導入したものが最初であるとされる。 東京都(東京都青少年の健全な育成に関する条例)では、諮問機関である青少年問題協議会において淫行条例の導入が1988年と1997年の2度にわたり否定されており、また東京都の担当部局も1985年当時、朝日新聞の取材に対して「合意の上の性行為は処罰にはなじまず、取り締まりは現行の法規で十分である」としていた。そのため自発的な性行為や売買春ではない性行為を規制する条項がなかったが、2005年2月、「何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行ってはならない」とする改正案が都議会に提案され、自民・公明などの賛成多数で可決・成立した。 千葉県(千葉県青少年健全育成条例)では、「売買春、威迫・欺き・困惑による性行為、周旋を受けての性行為」のみが規制されており、自発的な性行為を規制する条項がなかったが、2005年、「何人も、青少年に対し、威迫し、欺き、又は困惑させる等青少年の心身の未成熟に乗じた不当な手段によるほか単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められない性行為又はわいせつな行為をしてはならない」とする改正が行われた。 東京都渋谷区は、当時児童買春禁止法がなく東京都青少年条例にも児童買春処罰規定がなかった1996年2月、淫行処罰規定を含む独自の青少年保護条例を導入する必要があるとしたが、結局導入されなかった[要出典]。
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