初めての人間の回収
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 16:55 UTC 版)
「フルトン回収システム」の記事における「初めての人間の回収」の解説
CIAは密かに特別行動部の非正規の士官に対して、1952年にフルトン回収システムの前身となるシステムを用いた訓練を行なっていた。最初の人間を回収する任務で、作戦で使用されたと認められているのは、1952年11月29日の満州でのことである。 CIAのC-47パイロットのノーマン・シュワルツとロバート・スノーディは1952年末に回収の訓練を受けていた。CIAの非正規士官ジョン・T・ダウニーとリチャード・G・フェクトーは、この地域の反共支持者との連絡員を回収するため11月24日の週に急いで訓練を受けた。この任務は中国人民解放軍によって航空機が撃墜されたことで失敗に終わったが、二人は逃げ延びた。伝えられるところによれば、イギリス軍がアメリカのこの前身となるシステムを用いて彼らを回収したらしい。 フルトン回収システムを用いた、最初の人間の回収は1958年8月12日に、P2Vを用いてアメリカ海兵隊二等軍曹のレヴィ・W・ウッドを回収した時である 。回収されるときの衝撃は、パラシュートが開く時よりも小さかったという。ある人は表現するところでは、機首のアームにロープが接続された後は「ズボンを蹴られる」のに近く、人間は垂直に低速で100フィート(約30メートル)持ち上げられ、その後に飛行機の背後で流線型になった。ウインチで巻き上げられた後は腕と脚を伸ばして体が回転するのを防いだ。回収の過程は約6分で終了した。 1960年8月、海軍航空開発班司令官のエドワード・A・ロジャー大尉はアラスカのポイント・バローで、海軍極地研究所のマックス・ブレワー博士監督の下、P2Vによる回収実験を行なった。フルトンが機上で装備を監視する中、P2Vは郵便を氷山T-3(フレッチャーの氷の島として知られる)から回収した。この郵便にはツンドラから発掘されたマストドンの牙、ピーター湖で採取された地質標本が含まれていた。試験の最後、P2Vは砕氷船バートン・アイランドの近くに救出用小包を投下した。砕氷船のボートがこれを回収し、甲板まで持ち帰られて回収は成功した。
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