写真判定用スリットカメラとは? わかりやすく解説

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写真判定用スリットカメラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/02 11:53 UTC 版)

渡辺俊平」の記事における「写真判定用スリットカメラ」の解説

1937年昭和12年)、理研科学映画株式会社創立迎え前年1940年昭和15年)のオリンピック東京開催されることが決まった。この第十二回オリンピック東京大会向けて組織委員会科学施設研究会委員写真分科主査」に任命され渡辺は、スポーツ競技写真判定研究開始した。当委員会会議において、オリンピック要求される写真判定基準について議論交わされ結果次のことが決定した写真判定使用するカメラは、映画撮影機を改造したものを用いる。本体レンズいずれもアメリカ製で、本体にはシネコダックスペシャルを、レンズにはf1.4以上の明るさ確保するエクター製品を、それぞれ採用するフィルムは、株式会社小西六(現コニカミノルタ株式会社)にて、高感度かつ上質な製品を、急遽開発する写真判定カメラ映像タイム直接表示させるような仕様で、陸上競技等のタイム計測タイマーを、精工舎(現セイコーホールディングス株式会社)が製作するストップウォッチ用いて手動タイム計測を行うのが主流であった当時において、渡辺は既に、「写真判定タイム計測がより正確に行われるために、タイマー写真判定カメラセット動作するべきである」という考え持っていた。そのため、第十二回オリンピック東京大会向けて決定され上記事項は、組織委員会写真分科室の主査である渡辺考え反映した内容であった。しかし、1940年昭和15年)の当該オリンピック戦争影響により非開催となったため、渡辺写真判定対すアイディアは、25年近い歳月経て1964年昭和39年)の第十八回オリンピック東京大会花開くことになった。「タイマー判定カメラセット動作すべき」という渡辺考え方は、陸上競技判定業務何度も赴く中で、ストップウォッチ測定されるタイム計測者の違いによる大きな誤差生じ様子目の当たりにし、極端な場合には、判定写真が示す着順ストップウォッチタイム矛盾する事態体験することから生まれたのである。この1964年昭和39年)の第十八回オリンピック東京大会において、渡辺は、陸上競技写真判定班の技術総指揮者を務めた写真判定には、渡辺発明によるスリットカメラ用いた着順判定計時装置採用された。渡辺発明し、自ら製作したこの装置は、写真判定カメラ電子タイマー組み入れた装置で、オリンピックにおいて世界で初め写真電気的計時記録を正式採用させるという快挙成し遂げた従来判定カメラ比べ渡辺発明した写真判定カメラは、「写真直接選手タイム表示され分かりやすい」「写真判定線が入るので見やすい」等の特徴備え好評博した。そして4年後の1968年昭和43年)、第二十回東京都優秀発明展において、大会で使用した渡辺写真判定カメラ対し特別賞および科学技術庁長官賞授与された。 1971年昭和46年7月出版され日本大学芸術学部紀要日本大学芸術学部学術研究」には、渡辺自著論文スリットカメラ計時着順判定装置研究其の応用」が掲載された。同稿において渡辺は、スポーツにおける着順写真判定が行われるに至った経緯と、着順判定装置として応用されるスリットカメラ原理従来から判定装置として使用されてきた映画用高速度カメラスリットカメラとの比較計時機能組み込みについて、詳しく説明している。

※この「写真判定用スリットカメラ」の解説は、「渡辺俊平」の解説の一部です。
「写真判定用スリットカメラ」を含む「渡辺俊平」の記事については、「渡辺俊平」の概要を参照ください。

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