写真印刷とグラデーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 20:36 UTC 版)
「グラデーション」の記事における「写真印刷とグラデーション」の解説
もともと印刷インキが付いているかいないかの2値で白黒を表すのが印刷技法であったため、印刷物でグラデーションを表現することは19世紀末に至るまで容易ではなかった。 19世紀中ごろに写真が発明されて以来、数十年にわたって写真における階調表現の向上が図られてきたが、写真のグラデーションをそのまま印刷に出すことはできなかった。そのため、写真を印刷物に掲載するためには、上記の絵画の手法を用いて写真を絵画化し、リソグラフなどを用いて印刷する必要があった。そこで印刷物において写真の濃淡をグラデーションとして表現する技法として、1882年にドイツのマイゼンバッハが写真を網点に分解する手法である「オートタイピー(Autotypie)」(原稿を撮影し、その際に2度露光して原稿を網版に分解してネガに撮影する手法)を発明した。さらに、1892年にアメリカのレビー兄弟が「網目スクリーン」(これを通して原稿を撮影すると、原稿が網点に分解される特殊なガラス版)を発明したことで、1890年代には網点を使った写真製版の技法が確立した。この結果、写真を印刷して複製することが容易となり、雑誌や新聞などに写真を掲載して大量に頒布することも可能となった。
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