内容と傾向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 00:19 UTC 版)
候補者などにより録画・録音された内容は、原則一切編集せず、そのまま放送しなければならないとされ、なおかつ、候補者の発言やその他放送内容(奇妙な格好をしたり、他人を誹謗中傷したりすること等を含む)について、放送事業者は責任を問われない。また、政見放送の制作や放送を担当する放送局に不利な発言や行動があったとしても、同様の理由で放送局が編集などに介入することが原則できないため、そのまま放送される(ミニ政党・泡沫候補に限らず、言論の自由が保証されていることからすれば当然の帰結といえる)。 そのため、放送を通して自身をアピール出来る利点もあるため、落選および供託金を没収される覚悟の上で、多数の泡沫候補が選挙に出馬する一因にもなっている。 ただし、法には、「政見放送における品位の保持」として「公職の候補者、候補者届出政党、衆議院名簿届出政党等および参議院名簿届出政党等は、その責任を自覚し、前条第1項又は第3項に規定する放送(政見放送)をするに当たっては、他人若しくは他の政党その他の政治団体の名誉を傷つけ若しくは善良な風俗を害し又は特定の商品の広告その他営業に関する宣伝をする(放送法83条でも禁止されている行為)等いやしくも政見放送としての品位を損なう言動をしてはならない」という規定が設けられている(法第150条の2)。これに抵触する発言があった場合、該当する政見放送の直前に、「公職選挙法第150条の2の規定をふまえて音声を一部削除しています」との断りが入り、削除した部分は音声だけ無音となる。また、政見放送において当選を得させない目的をもって公職の候補者等に関し虚偽の事項を公にした者は5年以下の懲役刑若しくは禁錮刑又は100万円以下の罰金刑、政見放送において特定の商品の広告その他営業に関する宣伝をした者は100万円以下の罰金刑と、それぞれ刑事罰が規定されている(法第235条の3)。 政見放送で音声を一部削除した例として、1983年(昭和58年)の第13回参議院議員通常選挙における雑民党の政見放送(詳しくは「政見放送削除事件」を参照)、2016年(平成28年)の東京都知事選挙における後藤輝樹のNHKでの政見放送(性器を表す俗語を、継続・反復して述べ、善良な風俗を害したと判断された)、2020年(令和2年)の東京都知事選挙における後藤輝樹の民放(TOKYO MX)での政見放送の事例がある。
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