公立移行後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 14:14 UTC 版)
2017年4月1日、公立大学法人長野大学設立記念式典・長野大学開学式を挙行し、公立大学に移行した。これまで本学は志願者・合格者・在学生についていずれも8割前後を長野県内出身者が占めてきたが、2017年度からの公立化決定を受け人気が高まり、県外からの志願者が急増した。大学入試センター試験による選抜方式は以前から存在していたものの、2017年度一般選抜試験については他の国公立大学と横並びの選抜方法は採用せず、これまで通り私立大学の中でもより教科数を縮減した独自の入学試験方式を存続させた。また全くの新設校や短期大学の改組ではなく、四年制大学として既に建学後50年を経ており、大学の指導方針や教育内容も既に明らかであったことから、全国受験生とその保護者らからの注目を集めた。入試倍率は2016年度の1.4倍から4.8倍に跳ね上がり、公立化によって大学の人気が向上するということを如実に示した。2015年3月の北陸新幹線の延伸開業により、自宅からの通学も可能になっている地域が北陸方面の新幹線沿線に拡大しており、長野県同様に「大学収容力」が低水準の新潟県・富山県、また群馬県からの志願者が増加したという。このため入試難易度が上昇、県内の受験生が多くはじき出される結果となり、合格者のうち県内出身者は36%と激減。2017年度新入学生の県内出身者も2016年度の75%から52%へと大幅に減少した。数年前まで志願者の大半が合格(全入)しており、定員割れ状態が続いていた本学の入試状況が一変したことは県内高等学校の進路指導担当教員らを困惑させ、「前年並みの難易度ならば合格したはずの生徒が不合格になった」「長野大学を諦め、難易度の低い県外の大学に進学した生徒が出た」と、本学の公立化により県内高校出身者が更に県外に流出してしまう状況が発生したとの声も出ている。公立移行初年度の入試は県内高校出身者の県内大学進学率を上げるという公立化の目的に全く反する結果となったため、2018年度より募集人員を増員し、各学部とも一定程度を「地元枠」に充てた。AO入試については「スポーツ特別枠」および「福祉学科等在籍特別枠(社会福祉学部のみ)」、推薦入試については「長野県内高校在籍者優先枠」および「上田地域定住自立圏域優先枠(高校在籍者および居住者)」を設け、長野県内、特に上田市及びその近隣自治体在住・在校の生徒を優先して受け入れる選抜方法を導入した。なお2018年度より一般選抜試験については大学入試センター試験の多教科の受験を要する等、他の国公立大学と類似した選抜方法に変更されたが、傾斜配点や同一教科の2科目でも有効とする取扱いを導入するなどして5教科の受験は課さず、入試全体として私立大学型の選抜方法を維持している。公立化前のAO入試競争率は2倍に満たず、推薦入試はほぼ全員合格であったが、2017年度以降一転してAO入試・推薦入試とも難化。2018年度入試においては特別枠や地元枠を設けたものの競争率は更に上がり、AO入試は3~4倍、推薦入試は2倍以上で推移している。2018年は首都圏からの入学者が17%に達したという。
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