入場者数水増し問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 20:40 UTC 版)
2019年11月29日に、あるサポーターがSNSに投稿した写真によると、入場者数を水増ししていたとの指摘があり、奈良クラブが調査したところ、2015年のJFL昇格当初から常習的に入場者数を水増ししていたことが分かった。 水増しした人数は2016年度までは資料がないため不明だが、2017年以後は、実際の入場者数と公表された公式入場者数とは異なる人数を発表した。各年度の1試合平均の人数差異は次に示す通り。 2017年度 498人 2018年度 444人 2019年度 567人 水増しの方法としては、実際には入場者としてはみなされていない人物まで入場者としてカウントするとともに、最終的に集計された数字を水増しして公式入場者数としてカウントされた。特にJ3リーグ昇格に際しては、「原則として1試合平均2000人以上、1年間で3万人以上動員」をすることが審査で求められており、なるべく多く見せたいとする気持ちから、徐々に水増しが常態化されたとしている。特に2019年度のシーズンは開幕2試合で入場者数が伸び悩んだ影響で、水増しを繰り返したとされる。 これを受けて奈良クラブでは、今後再発しないようにするため 入口でカウンター計測人数を増やし、正しい計測ができるように努める JFLと相談のうえで、入場者数の集計用紙に対するチェック機能を強化する 集計用紙は向こう1年間保管する とした防止策を取りまとめた。それとともに、代表取締役社長・中川政七の報酬1年間全額返上と、前代表(2015-2018年度)の矢部次郎に対しても報酬1年間3割減とする懲戒処分を行った。その後日本サッカー協会裁定委員会による事情聴取を行い、12月26日に同協会から以下の懲罰処分を科すことを決めた。 クラブとしての奈良クラブに罰金100万円 中川に対して2020年度のJFL第10節まで、公式戦においての関係者エリア立ち入り禁止 矢部に対して譴責処分 2020年1月30日には、Jリーグから、Jリーグ百年構想クラブの失格処分が下された。ただし、以下の解除条件をすべて満たしていることがJリーグの理事会で判断された場合には、処分が解除されるとともに、翌シーズンのJ3クラブライセンス申請が可能になる。 ガバナンスの強化 入場者数のカウント方法の改善 ステークホルダーからの信頼回復 2020年6月23日、失格処分は解除となり、Jリーグ百年構想クラブの再認定がされた。これにより、2021年度J3クラブライセンス申請が可能となった。
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