住宅地の全体計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 10:18 UTC 版)
「横浜の都市デザイン」の記事における「住宅地の全体計画」の解説
金沢シーサイドタウンの住宅地は、地区全体の約12%・82ha。工場の従業員や市民のための計画人口30,000人の住宅用地である。また、横浜市内に残る最後の自然海岸を持った海を失う代償として、砂浜のある海の公園や八景島が建設された。さらに、旧海岸線の自然地形と緑の保全のため、これに沿って帯状の公園をつくり、また、新しくできた水際線沿いには緑地を設け、地区内の河川沿いには緑道を設けるなど、緑のネットワークを形成している。地区内のほぼ中央には、南北に国道357号線が走り、工業用地と住宅用地を分けている。国道沿いの陸側には幅員50mの緑地帯を設け、これと旧海岸線沿いの緑地に囲まれた地域に住宅地を配置し、その環境を確保している。また、JR新杉田駅と京浜急行金沢八景駅を結び、12の駅を持つ新交通システム「金沢シーサイドライン」が1989年に開通し、地区内を縦断している。計画にあたっては、横浜市の街づくりに関する行政の一環として、住宅地建設事業に対すて新しい行政指導のあり方を探るとともに、住宅地のモデル事業として一つの指標となるように、単に街づくりの量的な対応だけではなく、将来のストックとして十分耐えらえるような質の高い環境形成を図ることを目指した。そのため住宅建設事業主体に土地を売却する際に、あらかじめ横浜市の総合基本計画を定め、それに基づいた住宅地建設を条件とし、さらに具体的な設計段階に至るまで協議を行なっている。住宅地の計画は、周囲にループ状の道路を巡らし、住宅地内への通過交通を排除するとともに、歩行者専用道路、広場、児童公園(街区公園)などの歩行者系施設からなる安全で快適な歩行者空間を形成している。この骨格を中心に低層住宅、小中学校、幼稚園、商業施設などをリンクさせて、魅力的な集合住宅を形成させるため、様々な工夫が行われている。一号地、二号地北ブロック、二号地南ブロック、三号地と事業の進捗にとともに変化する事業者や社会的な背景に従って、少しずつ設計方法と内容の修正も行っている。
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