二号地南ブロック(並木三丁目)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 10:18 UTC 版)
「横浜の都市デザイン」の記事における「二号地南ブロック(並木三丁目)」の解説
二号地南ブロックは、住宅開発事業者が5者(神奈川県労働者住宅協会、横浜市住宅供給公社、神奈川県住宅供給公社、住宅・都市整備公団関東支社、横浜市建築局)となった。そこで、骨格となる歩行者専用道路に沿ってブロックを5つのグループに分けた。そして、事業にかかわる計画や設計などの様々な事項について連絡や調整を図るための場として、この5者からなる連絡調整協議会(事務局は横浜市住宅供給公社)を設けた。協議会には、金沢シーサイドタウンの事業者である横浜市港湾局とアーバンデザインの調整役の横浜市企画調整局(後の都市計画局)都市デザイン室と横浜市の南ブロック基本計画作成に携わった和設計事務所が加わって全体会議がもたれた。全体会議では、まず横浜市側から基本計画と全体のデザインの方向性について提案を行い、それを受けて各事業者が各々の立場から実施設計を作成し、全体会議において横浜市と調整を図り、フィードバックするという作業が続けられた。そして横浜市の提案の中の街なみ形成にかかる主要な事項については、協議会での検討を経て「街づくりのデザインコード」としてまとめられた。内容は二号地北ブロックの計画で蓄積されたものがベースになっているが、事業主体が5者になったために、共通の指標として27項目に整理されている。特に、住宅地の骨格となる歩行者専用道路を挟んで異なる事業主体が向き合うため、各々がばらばらにならないよう、一つの街として一体的な空間を構成するための項目が中心となっている。各々の住宅地は、生活感のある親密な空間を形成するために、歩行者専用道路に向けて積極的に参加する。そのため生活の表情を歩行者専用道路位に向けて開放的に表出する。また、石積みや植栽など共通のつくり方をした幅2mの公開空地を歩行者専用道路沿いに設ける。などの項目を、図や言葉などで表現している。そして、南ブロックではじめてデュアルユースパーキングを採用した。これは車の所有率が急激に増加し、従来の駐車場の設置方式では住棟間のオープンスペースの多くが車で占拠されてしまうために採用された。そのスペースのつくり方などについて共通の仕様を設け、一団地認定の特例扱いで実施している。二号地南ブロックは、5つの事業者と各々に異なった設計者による住宅建設事業となったために、計画開発におけるアーバンデザインの手法の導入について、北ブロックよりも深度化されたと考えられる。
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