仮晶
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/06 23:47 UTC 版)
仮晶(かしょう、英: pseudomorph)または仮像(かぞう)[1]とは、鉱物の結晶形が保たれたまま、中身が別の鉱物によって置き換わることで、本来はありえない外形をとる現象。鉱物の外形が他の鉱物の仮晶である旨を表記する場合には、元の鉱物名に仮晶とつける。例えば、黄鉄鉱の結晶を別の鉱物が置き換えて、黄鉄鉱の結晶外形を保っているときは「黄鉄鉱仮晶」のように表現する。
注釈
- ^ 英語では仮像と仮晶の区別はあまりなく、どちらも pseudomorph が使われている。
出典
- ^ 文部省編 『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年。ISBN 4-8181-8401-2。
- ^ Nelson, Stephen A.. “Twinning in Crystals”. 2015年11月3日閲覧。This results for example in serpentine pseudomorphed after olivine or pyroxene, anhydrite (CaSO4) pseudomorphed after gypsum (CaSO4.2H2O), limonite [FeO.(OH).nH2O] after pyrite (FeS2), and anglesite (PbSO4) after galena (PbS).
仮晶
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:29 UTC 版)
過去の地球に存在したイカ石は、異相の炭酸カルシウム鉱物に変化した仮晶を通じて存在が確認される。仮晶のもととなった鉱物を一意に決定するのは難しいのだが、各地でそれぞれの名で呼ばれている仮晶について、もともとはイカ石だったという証拠が見つかっている。 グレンドン石(Glendonite) - ニューサウスウェールズ州Glendonより。 Thinolite - ギリシア語 Thinos = 渚。カリフォルニアモノ湖湖畔で発見される、変わった形態の炭酸カルシウムである。この湖や周辺の湖は、現在では乾燥地帯に囲まれているが、氷期の終わり頃にあった氷河湖の一部であった。当時においてはイカフィヨルドと似た環境で、大きなイカ石の成長が可能だったと考えられる。 Jarrowite - ノーサンバーランドJarrowより。 Fundylite - ノバスコシア州Fundy湾より。 Gersternkorner - ドイツ語で「大麦粒」。 玄能石 Molekryds - ユトランド半島Mors島。 Pseudogaylussite - ゲイリュサック石(英語版)的な外観より。 White Sea hornlets - コラ半島の白海より。 イカ石やその仮晶は、海中、淡水、河口付近などから発見されている。 環境の共通点としてはまず冷たい温度が挙げられる。しかし、方解石などの無水炭酸カルシウムの形成を阻害する化学物質などの存在も必要であると思われる。イカ石は、冬の北海道の塩湖でも形成されたとの報告がある。 熱帯地方でも深海には冷水が存在するので、イカ石は緯度によらず形成可能である。しかし、イカ石仮晶の存在は、水が0度近いことを表す古気候の温度指標として使われている。
※この「仮晶」の解説は、「イカ石」の解説の一部です。
「仮晶」を含む「イカ石」の記事については、「イカ石」の概要を参照ください。
- >> 「仮晶」を含む用語の索引
- 仮晶のページへのリンク