人間としての独自性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 01:45 UTC 版)
人間が他の動物のように振る舞わず、また他の動物が人間のように振る舞わないのはそれぞれが祖先から受け継いだ遺伝的要因に強く制約されているためであるが、特に人間性の先天性に関しては議論がある。 人格あるいはパーソナリティ: 人間が別の人間とのあいだに「人間的関係」を結び、人格的な交流・親交を行うことができるのは、人間がまさに人間であるが故であるが、このような「人間性」の基盤に、仮説としては、大脳の神経のネットワークが張ると考えられる「人間の意識」「人格」の先天的な構造が考えられる[要出典]。 言語: このような人間存在の独自のありようの一つに、言語を持つという特徴がある。人間は発達心理学の研究からすると、言語をみずから積極的に求め言語の構造を自発的に創造する能力を持っている。ノーム・チョムスキーの生成文法や普遍文法は、このような言語能力が人間に先天的に備わる構造であることを示している[要出典]。 知能・思考力: 言語と知能あるいは思考は別のものか、または同じものを別の面から見ているのか解釈が分かれるが、言語能力の拡大と知能や思考力の拡大は明らかに相関がある。しかし知能や思考には、感覚運動系に特化して発揮される次元も存在しており、言語能力が即ち知能や思考力ではない。言語も思考力も学習や経験を通じて展開するが、学習や経験・知識の有機構造化を可能とする基盤能力は先天的だと云える[要出典]。 気質・心理傾向: 気質は人間個々人の性格において、生物的・身体的な面と関係する趨向だと考えられているが、多様なものを含むと云える。気分が変わりやすいとか、何か一定のことを思いこむと、何時までもその思いに執着するとか、逆にものごとに拘りがなく、喜びや悲しみの表現が豊かであるとかは、後天的な環境や学習の影響もあるが、生まれながらの先天的な要因である可能性が高い[要出典]。 これらは、誕生の後で両親と別離し、人格の発達において両親による影響がないと考えられるケースで、特定の個人の心理傾向が、その両親のどちらかや、または遺伝的に関係ある近縁者と有意な相関を持つことから、遺伝的な素因が考えられる。「犯罪者の家系」というのは、或る種の心理傾向の遺伝的な継承から生じているとも云える[要出典]。後天的な環境決定説では説明できない事例が存在する[要出典]。
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