人を呪わば穴二つ
別名:人を呪わば穴2つ
人を呪わば穴二つの意味
人を呪わば穴二つとは、人を呪い殺そうとして墓穴をほれば自分の墓穴も必要となるという意味のこと。英語表現では people who live in glass houses shouldn't throw stones(ガラスの家に住む人は石を投げるべきではない)となる。人を呪わば穴二つの由来は、人に手を出せば、仕返しで損害を受けるのは目に見えているので、理不尽な目にあわされても他人に手を出してはいけないという戒めからきている。「人を呪わば」は陰陽師の呪いを意味し、「穴二つ」は呪い返しを覚悟した陰陽師が自分の墓穴を用意したということが語源である。
人を呪わば穴二つは転じて、嫌な目にあわされてもやすやすと相手に手を出してはいけないという訓戒となっている。
人を呪わば穴二つの類語、対義語
類語には「悪因悪果」や「因果応報」がある。悪因悪果は悪いことをすれば悪い結果が返ってくるという意味だ。因果応報は自分の身の振り方がそのまま自分に返ってくるという言葉で、よい行いをすれば自分にもよいことが起こるという意味合いも持つ。対義語には「目には目を」と「肉を切らせて骨を断つ」がある。目には目をは、ハンムラビ法典の一節に由来する言葉で、他人から危害を加えられたら同じ危害を相手に加えるべきだと、復讐を推奨している。肉を切らせて骨を断つは、自分が傷つくことを恐れず相手により大きな痛手を与えにいくという、捨て身の攻撃を示す言葉である。人を呪わば穴二つの例文、使い方
怒りに燃える相手を押しとどめたり、仕返しに走って痛い目を見た相手を憐れむときに口にすることとなる。
人を呪わば穴ふたつ
人(ひと)を呪(のろ)わば穴(あな)二(ふた)つ
人を呪わば穴二つ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/04 17:12 UTC 版)
人を呪わば穴二つ(ひとをのろわばあなふたつ)は、平安時代からのことわざ。
概要
他人に害を与えようとするならば、結局は自分も同じように害を受けるということのたとえ。他人を呪って殺そうとするならば、自分もその報いで殺されるということであり、自分も殺されることになるから墓穴が2つ必要になるということである[1]。この言葉は他人のことを悪く言ったり害を与えようとしている人に対して戒めとして用いられている[2]。他人を呪うという行為は他人を恨むことであり恨むということは憎い相手に災いが降りかかるように願うという負の感情を含むものであり、このような負の感情はやがて自分の肉体や精神に悪影響を与えることにもなるため、現代においても人を呪わば穴二つということわざには現実味がある[3]。
由来
この言葉は平安時代の陰陽師が由来である。天文学などをよく知る陰陽師は吉凶を占ったり地相を診たりするのが役割であったが、後に怨霊を沈めることのできる呪術師としての地位を確立していく。このようになった陰陽師は、戦争が行われるようになれば、その当時の権力者は陰陽師に呪術を依頼していた。この時に陰陽師は、敵を呪い殺したならば自分も同じように呪い殺される可能性があるとして墓穴を2つ用意させていた。このことから、「人を呪わば穴二つ」といわれるようになった[3]。
脚注
- ^ 「人を呪わば穴二つ」『デジタル大辞泉、精選版 日本国語大辞典、ことわざを知る辞典』 。コトバンクより2024年10月10日閲覧。
- ^ “【人を呪わば穴二つ】の意味は? 由来や類語・言い換え表現と対義語を紹介”. Domani (小学館). (2024年3月2日) 2024年10月10日閲覧。
人を呪わば穴二つ
「人を呪わば穴二つ」の例文・使い方・用例・文例
人を呪わば穴二つと同じ種類の言葉
- 人を呪わば穴二つのページへのリンク