京都以外の舞妓
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/12 07:53 UTC 版)
京都以外の日本各地にも「まいこ」と呼ばれる芸妓がいる。京都のように修行の段階で区別されるとは限らず、一人前の芸妓、芸者を指す地域が多い。 酒田市(山形県)には舞娘と書いてまいこと読む年少芸妓が居るが、衣装(帯結び)は京都の舞妓とは異なる。酒田市にある相馬樓で見ることができる。 山形市にも上記と同様のやまがた舞子が居る。花笠祭りにも登場。 秋田市にあきた舞妓が居る。明治終わりから昭和初期に川反芸者として秋田市の繁華街にて発展していた。かつての秋田の舞妓文化を継承するために、新たに2014年に誕生した。 あわら市(福井県)の芦原温泉に於いて2004年に38年ぶりの舞妓が誕生した。ひきずりの着物にだらりの帯、という京都の舞妓と同じ衣装、但し地毛ではなくかつら(場合により地毛で結っている時もある)。 奈良市元林院町の花街では舞妓ではなく、「舞子」という表記になる。舞子は京都と同じく、引きずりの振袖にだらりの帯、地毛で結った京風日本髪に花かんざしを挿し、おこぼを履く。 大阪市には太平洋戦争前には舞妓が居た。京都とは異なり、帯結びが腰元の様な立て矢であるのが特徴(「やぎっちゃ」という結び方)。また髪型も京風の引き鬢ではなく、江戸風の出し鬢であった。衣装などが空襲で焼失し、写真も僅かしか残らず、資金面などの問題もあり、復活は難航したが、2008年5月に若手の芸妓2名により復活に漕ぎ着けた。 神戸市の有馬温泉では高卒の新人は舞妓(半玉)と呼ばれる。詰め袖の着物だが京都と同様の肩上げをし、鬘だが花かんざしを付ける。 このほかの関西や四国・九州地方などの花柳界にもかつては「舞妓」と呼ばれる存在があった。しかしその姿は京都の舞妓に類似するもの、むしろ関東の「半玉」(または大阪の舞妓か)に近いものと様々であった。 名古屋市の花柳界「名妓連」には舞妓が2名居る。舞妓になるには、金の鯱が出来ることが必須である。また引き摺りではなく、普通の振袖を着用し、帯は後見結びで、帯締めにぽっちりは付けず本結びにする。着物類や簪は自前。 岐阜市の花柳界「鳳川伎連」にも1名舞妓がいる。引き摺りの振袖で、京都の舞妓に姿が似ている。岐阜には独自の舟遊び文化があり、屋形船乗船の際は帯結びが異なる。岐阜県内を走る長良川鉄道越美南線の「舞妓列車」に同乗することもある。 このほか、高知県高知市の料亭でも芸妓や仲居、和装コンパニオンとともに舞妓を雇用している(いわゆる「社員制度」の舞妓)。 いずれの花街も京都と違い、現在は舞妓として座敷に出るには18歳以上(高校生は不可)であることが定められている。
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