交流化改造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/10 08:13 UTC 版)
「フルカ・オーバーアルプ鉄道HGe2/2形電気機関車」の記事における「交流化改造」の解説
電化方式の変更に伴って1941年に電機品も交流化対応のものに換装する改造を実施している。この改造には主電動機などにBCFhe2/4形の電機品と同等品が用いられており、制御方式はタップ切換制御で車体後部に主変圧器を搭載し、2台の交流整流子電動機を制御している。駆動装置は主電動機の変更に伴って歯車比が変更されて粘着動輪8.88、ピニオン10.00となったほかは大きな変更はなくそのまま使用されており、1時間定格出力は235kWから429kWへ、牽引トン数が40tから48tへそれぞれ増強され、速度も8km/hから14.5km/hに向上している。なお、電機品の変更に伴って、車体側面の点検口が増設されているほか、側面窓のうち中央のものがルーバーに変更されている。 ブレーキは電気ブレーキが発電ブレーキに変更となったほか、機関車用の自動空気ブレーキと入換用直通空気ブレーキが追加されている。 列車暖房用電源も架線から直接の直流1200Vから、機関車の主変圧器出力の交流300Vへ変更されており、客車への電気暖房引通用の電気連結器が通常の電気連結器と連結栓によるものに変更されて設置位置も正面下部に移設されているほか、放送などサービス用の電気連結器が増設されている。 このほか、正面車体裾部に設置されていた前照灯が若干上部へ移設され、集電装置が交流用に変更されて設置位置が前位側へ移設され、空いたスペースに交流用の高圧ヒューズと主開閉器が設置されている。 運転室は右側運転台で、交流化改造によって機器類が一新されており、運転台右側に縦軸ハンドル式のマスターコントローラーと自動ブレーキ弁および直通ブレーキ弁ハンドルが、左側に大型の手ブレーキハンドルが設置されるものとなり、計器類は左右の正面窓間に設置されている。 なお、交流化改造後に合わせて若干の塗装変更がなされており、車体型帯部分の濃青色帯がペールブルーとクリーム色の塗分部のみとなったほか、側面下部の"Schöllenenbahn"の飾り文字が無くなり、代わりに窓横に”Sch B”の切抜文字が設置されたほか、正面向かって右側の前照灯横にも機番の切抜文字が増設されている。 その後フルカ・オーバーアルプ鉄道所属となった際には車体のベース色が同鉄道標準の濃赤色となり、乗務員室扉の手すりが黄色、屋根及び屋根上機器が銀またはライトグレー、床下及び床下機器はダークグレーとなり、機番および社名の切抜文字がそれぞれ改番された21-24号機のものと"FO"のものにそれぞれ交換されていた。
※この「交流化改造」の解説は、「フルカ・オーバーアルプ鉄道HGe2/2形電気機関車」の解説の一部です。
「交流化改造」を含む「フルカ・オーバーアルプ鉄道HGe2/2形電気機関車」の記事については、「フルカ・オーバーアルプ鉄道HGe2/2形電気機関車」の概要を参照ください。
- 交流化改造のページへのリンク