交流冒進試験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 03:51 UTC 版)
1961年(昭和36年)2月に常磐線の取手 - 藤代間のデッドセクションにて、故意に直流1,500 V区間から交流20,000 V区間へと電源切替を行なわずに進入するという試験が行なわれた。既に落成していた401系交直流電車を2編成使用し、非常時のために1編成のパンタグラフは降下させたままで試験を行なった。本来冒進時には、運転台屋根上の「検電アンテナ」が交流を感知し、冒進用変流器で空気遮断器を作動させる設計であったが、この試験時には交流区間に入った瞬間に冒進用変流器のコイルが断線、電気系統が異常となり保護回路により変電所の遮断器を切る事態に陥った。列車は惰性で藤代まで走行した。後日の調査で、補機用過電流継電器の主コイルに20,000 Vが入り、その後1,500 V回路、100 V回路へと流れ、最終的には車内の暖房用ヒーターまでをも破壊していた。このため冒進用変流器を、過電流強度が3,500 A / 5 Hz / sから、強度6,000 A / 10 Hz / sのものに変えて解決した。
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