井草とは? わかりやすく解説

井草

読み方:イグサ(igusa)

所在 東京都杉並区

地名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

〒167-0021  東京都杉並区井草

井草

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/30 01:07 UTC 版)

日本 > 東京都 > 杉並区 > 井草
井草
町丁
井草森公園
北緯35度43分39秒 東経139度36分47秒 / 北緯35.727453度 東経139.612981度 / 35.727453; 139.612981
日本
都道府県  東京
特別区 杉並区
人口情報2025年(令和7年)3月1日現在[1]
 人口 17,618 人
 世帯数 9,800 世帯
面積[2]
  1.041217156 km²
人口密度 16920.58 人/km²
郵便番号 167-0021[3]
市外局番 03(東京MA[4]
ナンバープレート 杉並
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井草(いぐさ)は、東京都杉並区の地名。現行行政地名は井草一丁目から井草五丁目。住居表示実施済み区域である。

地理

東京都杉並区の最北部、西武新宿線以北の地域にあたり、練馬区中野区と隣接する。東西に走る西武新宿線を底辺とする台形状の町域を持つ。西側の斜辺に相当するのが、上井草駅北側から八成橋交差点までの千川通りであり、これを境界として練馬区下石神井に接している。八成橋交差点以東の区界は道路を離れて住宅地内を走っており、練馬区側は富士見台南田中となっている。東側の斜辺は杉並区と中野区の区界であり、中野区側は上鷺宮鷺宮である。また、南側は杉並区下井草上井草となる。井草は東から西へ一丁目から五丁目に区分されており、主に住宅地として利用される。

南北に環八通り井荻トンネル)、東西に新青梅街道が貫いており、両者は町域中心部の井草三丁目交差点で交わっている。北端の八成橋交差点付近では、上井草駅方向から東北に向かう千川通り・井荻駅付近から北上する環八通り・下井草駅付近から西北に向かう旧早稲田通りが交錯している。町域南部にはかつて井草川が流れていたが、現在は暗渠化されている。

地価

住宅地の地価は、2025年令和7年)1月1日公示地価によれば、井草1-19-24の地点で47万4000円/m2、井草5-12-14の地点で46万7000円/m2となっている[5]

歴史

中世から近世までは現在の杉並区北部の広い範囲を指した。

地名の由来

「井草」という地名の由来には諸説がある。

  • 善福寺池妙正寺池周辺の低湿地で、藺草が生えていたことから[6]
  • 池の草と呼ばれたがたくさん生え茂っていたので、池の草→葦草(いぐさ)から[6]
  • 善福寺池と妙正寺池との間の草原にあるため、池(井)と草原の草から[6]
  • この地を開拓した長左衛門という人物が井口姓を名乗り、「草分け長左衛門」と呼ばれたことから[7]

中世・江戸時代の「井草」

「井草」はもともと、現在の杉並区北部一帯を指す地名であった。中世、武蔵国多摩郡に属する井草村の範囲は、現在の井草・上井草下井草をはじめ、今川善福寺桃井清水の全域、上荻西荻北の一部に及ぶ。善福寺一丁目にある井草八幡宮は、「井草」の地名がより広い地域を指していた当時の名残である。

徳川家康が江戸に入部すると、板倉重宗井上正利が井草村の領主となった。

1645年、井草村は旗本今川直房の所領となり、幕末まで今川氏の知行地となった。1649年観泉寺(現・今川二丁目)に与えられた朱印状に「上井草村」と記されていることから、この時期までに井草村は上井草村・下井草村と東西に二分されたとみられる。江戸時代には上下井草村を合わせて「井草村」と称したり、下井草村を単独で「井草村」と称したりすることもあった[8]。現在の井草は、江戸時代における下井草村の一部にあたる。

現代

1963年9月1日住居表示の実施に伴い、現在の井草一丁目から五丁目が編成された。旧町名では、八成町・正保町・矢頭町・住吉町・上井草町(一部)にあたる。井草は、杉並区内でもっとも早く住居表示が実施された地域である。

井草四丁目の環八通りそばに、旧通産省機械技術研究所跡地を利用して、1996年井草森公園(いぐさもりこうえん)が開園した。これに隣接して、同年に不燃ゴミ圧縮施設杉並中継所(通称:杉並中継所)というゴミの処理施設が作られた。この施設が作られた頃から井草など近隣の住民がのどや目に痛みを訴える、いわゆる「杉並病」が認められるようになり、マスコミに大きく取り上げられ社会問題となった。杉並中継所は、2009年3月31日に廃止された。

世帯数と人口

2025年(令和7年)3月1日現在(杉並区発表)の世帯数と人口は以下の通りである[1]

丁目 世帯数 人口
井草一丁目 2,646世帯 4,748人
井草二丁目 3,020世帯 6,040人
井草三丁目 1,721世帯 2,803人
井草四丁目 1,262世帯 2,022人
井草五丁目 1,151世帯 2,005人
9,800世帯 17,618人

人口の変遷

国勢調査による人口の推移。

人口推移
人口
1995年(平成7年)[9]
13,386
2000年(平成12年)[10]
13,834
2005年(平成17年)[11]
13,433
2010年(平成22年)[12]
16,226
2015年(平成27年)[13]
16,505
2020年(令和2年)[14]
17,284

世帯数の変遷

国勢調査による世帯数の推移。

世帯数推移
世帯数
1995年(平成7年)[9]
6,251
2000年(平成12年)[10]
6,957
2005年(平成17年)[11]
7,130
2010年(平成22年)[12]
8,408
2015年(平成27年)[13]
8,607
2020年(令和2年)[14]
9,262

学区

区立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる(2016年1月時点)[15]

丁目 番地 小学校 中学校
井草一丁目 全域 杉並区立八成小学校 杉並区立中瀬中学校
井草二丁目 全域
井草三丁目 1番
5~15番
18~22番
25~31番
2〜4番
16〜17番
23〜24番
32番
杉並区立井草中学校
井草四丁目 17~22番
1〜16番 杉並区立四宮小学校
井草五丁目 全域

交通

鉄道

隣接地域で利用可能駅 バス利用で利用可能駅

西武新宿線

西武池袋線

JR中央線
JR中央・総武線各駅停車
東京メトロ丸ノ内線

JR中央線
JR中央・総武線各駅停車

町域南側には、西武新宿線下井草駅井荻駅上井草駅の各駅があり、東から順にほぼ1km間隔で並んでいる(各駅とも住所は町域外)。町域東部では下井草駅、中部では井荻駅、西部では上井草駅がそれぞれ最寄駅として利用されている。 また、中央線の荻窪駅へバス移動・自転車移動している利用者も見受けられる。

事業所

2021年(令和3年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[16]

丁目 事業所数 従業員数
井草一丁目 141事業所 902人
井草二丁目 92事業所 599人
井草三丁目 93事業所 1,114人
井草四丁目 52事業所 926人
井草五丁目 68事業所 739人
446事業所 4,280人

事業者数の変遷

経済センサスによる事業所数の推移。

事業者数推移
事業者数
2016年(平成28年)[17]
426
2021年(令和3年)[16]
446

従業員数の変遷

経済センサスによる従業員数の推移。

従業員数推移
従業員数
2016年(平成28年)[17]
4,328
2021年(令和3年)[16]
4,280

施設

  • 井草森公園(四丁目)
  • 井草観音堂(一丁目)
  • 杉並区立八成小学校(二丁目)
  • カトリック下井草教会(二丁目)

その他

日本郵便

脚注

  1. ^ a b 町丁別世帯数及び人口(令和7年3月1日)” (XLSX). 杉並区 (2025年3月7日). 2025年3月30日閲覧。 “(ファイル元のページ)(CC-BY-4.0)
  2. ^ 『国勢調査町丁・字等別境界データセット』(CODH作成)”. CODH. 2024年1月14日閲覧。(CC-BY-4.0)
  3. ^ a b 井草の郵便番号”. 日本郵便. 2023年11月17日閲覧。
  4. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
  5. ^ 国土交通省 不動産情報ライブラリ”. 国土交通省. 2025年3月19日閲覧。
  6. ^ a b c 森泰樹『杉並風土記・上巻』杉並郷土史会、1977年
  7. ^ 竹内誠編『東京の地名由来辞典』東京堂出版、2006年ISBN 4490106858
  8. ^ 冨澤(2002年)、p.48
  9. ^ a b 平成7年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年3月28日). 2019年8月16日閲覧。
  10. ^ a b 平成12年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年5月30日). 2019年8月16日閲覧。
  11. ^ a b 平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年8月16日閲覧。
  12. ^ a b 平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年8月16日閲覧。
  13. ^ a b 平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年8月16日閲覧。
  14. ^ a b 令和2年国勢調査の調査結果(e-Stat) -男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等”. 総務省統計局 (2022年2月10日). 2022年2月20日閲覧。
  15. ^ 区立学校学区域一覧”. 杉並区 (2016年1月14日). 2017年12月26日閲覧。
  16. ^ a b c 経済センサス‐活動調査 / 令和3年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 事業所数、従業者数(町丁・大字別結果)”. 総務省統計局 (2023年6月27日). 2023年9月15日閲覧。
  17. ^ a b 経済センサス‐活動調査 / 平成28年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果”. 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。
  18. ^ 郵便番号簿 2022年度版” (PDF). 日本郵便. 2023年10月28日閲覧。

参考文献

  • 『日本歴史地名大系13 東京都の地名』(平凡社、2002年)。
  • 冨澤智宏「今川知行所四か村の概観」(大石学監修、東京学芸大学近世史研究会編『高家今川家の知行所支配』(名著出版会、2002年)所収)。
  • 犯罪事件研究倶楽部『日本凶悪犯罪大全』(文庫ぎんが堂、2011年)。

関連項目

外部リンク




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