主要なランド・アート作品
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「ランド・アート」の記事における「主要なランド・アート作品」の解説
ドゥワン・ギャラリーの“Earthworks展”をリードしたロバート・スミッソンは、その2年後の1970年に、ランド・アートの記念碑的作品とされる「スパイラル・ジェティ(英語版)」をグレートソルト湖に完成させる。石と土で作られた、長さ457m(1500フィート)、幅4.57m(15フィート)の渦まき状をした「堤防」である。制作時の水位が記録的に低かったため、数年に一度の頻度でしか湖面に現れない。 同じく“Earthworks展”のメンバーであったマイケル・ハイザー(英語版)の「ダブル・ネガティブ」(Double Negative、1969年)は、ネバダ州の無人のメサ(頂部が平らで周囲が断崖の岩石丘)の縁に掘られた、長さ457m(1500フィート)、幅39.1m(30フィート)、深さ15.2m(50フィート)の巨大な溝である。この溝は途中、崖をまたぐよう掘られているため、二つに切断されている。この作品は、ドゥワン・ギャラリーのオーナーであるヴァージニア・ドゥワン(英語版)の所有物であったが、1985年にロサンゼルス現代美術館に寄贈された。 モハーヴェ砂漠に3.6m(12フィート)間隔の二本の平行線を引き続けた「マイル・ロング・ドローイング」(Mile Long Drawing、1968年)は、ランド・アートのもう一人のパイオニアであるウォルター・デ・マリアの作品である。さらに1977年にデ・マリアは、ニューメキシコ州の砂漠の一角の雷の多発エリアに、400本のステンレス製の誘雷ポールを67m(220フィート)間隔で格子状に並べた「ライトニング・フィールド(稲妻の平原)」を完成させる。ポールの高さは、その先端が同一平面上に収まるように調整されるので一定しないが、平均で約6m(約20フィート)である。 そのほか現在、構築中の作品で著名なものとしては、マイケル・ハイザーの「シティ」(City、1972年始動)とジェームズ・タレルの「ローデン・クレーター」(1977年始動)がある。あまりに巨大なプロジェクトであるため2006年時点でも、最終的な完成の時期は両者とも依然として未定である。「ローデン・クレーター」の方は、作家のビジョンはもとより制作の記録も積極的に公開されており、そのプロセス自体を「作品」ともみなせるものであるが、「シティ」の制作場所は、ネバダ州の砂漠地ガーデン・バレー (Garden Valley) である。 ランド・アートの特異な例として1998年6月26日に発見されたオーストラリアの「マリー・マン」がある。これは大きさが世界最大であり、最大であるにもかかわらず誰にも知られず制作された点、また作者が名乗り出ず、制作者が不明な点でも特異である。南オーストラリア州の中央部の町マリーの西60kmの台地に位置し、身長は2.6kmに達する。侵食から取り残されたため、周囲の地面より30m程度高い標高50mの台地に孤立して描かれている。
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