主な条約内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 15:16 UTC 版)
「サン=ジェルマン条約」の記事における「主な条約内容」の解説
ボヘミア、モラヴィアのドイツ語圏地域、ならびに下オーストリアのいくつかの都市は、新たに成立したチェコスロバキアに属する。これらは後にズデーテン地方の名で呼ばれる。 南チロルのドイツ語圏(現在のボルツァーノ自治県)、トレンティーノ地方はイタリア王国に属する(未回収のイタリア)。 下シュタイアーマルクのいくつかの地区(現スロベニア領シュタイエルスカ地方)とケルンテンのミース渓谷(現スロベニア領コロシュカ地方)は、セルボ・クロアート・スロヴェーヌ王国に属する。 フィウメ(現在のクロアチア領リエカ)は、セルボ・クロアート・スロヴェーヌ王国に属する(これを不服とするイタリアとの間で係争となり、最終的にイタリアに属することになる)。 ハンガリー西部のいくつかの地区はブルゲンラント州の名でオーストリアに属する。 クラーゲンフルトの帰属は住民投票によって決定する。 ガリツィア・ロドメリア王国(ハールィチ・ヴォルィーニ大公国の故地で、1772年の第一次ポーランド分割によりオーストリア帝国が手に入れた地域)は、再建されたポーランド(ポーランド第二共和国)に併合される。 オーストリア領シュレージエンはポーランド(チェシン・シレジア)とチェコスロバキア(チェコ領スレスコ)に分割される。 オーストリア=ハンガリー帝国の所有であり、戦時中にイタリアに占拠されたローマのヴェネツィア宮殿を正式に無償で譲渡する。 エジプト王国に対するイギリスの保護権を承認し、エジプトにおける治外法権を放棄する。 中国内に設置されていた天津の自国民居留地の契約は解除される。 チェコスロバキア、セルブ・クロアート・スロヴェーヌ王国(ユーゴスラビア王国)、旧ロシア帝国地域の独立を承認する。 チェコスロバキアはブラチスラヴァ南方のドナウ川右岸地域に防御施設を建設しない。 ベルギー、ルクセンブルクの中立義務の解除を承認する。 オーストリアは自国内の少数民族を保護する。 イタリアおよびルーマニアに対しては現物賠償として家畜を提供する。またイタリアの君主が過去に保有していた宝飾品・美術品をイタリアに返還する。 オーストリアの陸軍兵力は3万人に限定される。徴兵制度は認められない。空軍および航空隊の保有も禁止される。 兵器および軍事物資の輸入は禁止される。火炎放射器、毒ガスの製造・開発・研究は禁止される。戦車・装甲車・軍事用機械の製造も禁止される。 オーストリア=ハンガリー帝国海軍の保有艦艇はすべて連合国に引き渡される。建造中のものはすべて解体される。 シュレースヴィヒの帰属について、ドイツとデンマークが行った決定を承認する。 締約国はフランスのモナコに対する保護条約を承認する。 オーストリア西部のフォアアールベルク州のスイス連邦加盟を認めない。 同じくオーストリア西部のチロル州のドイツ南東部のバイエルン州への併合を認めない。
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