中央・西アジア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 01:27 UTC 版)
パレスチナ(イスラエル・パレスチナ)パレスチナ分割決議を不服としたアラブ人側が第一次中東戦争を起こし、この地はイスラエル・ヨルダン・エジプトによって分割された。しかしイスラエルは第三次中東戦争でヨルダン・エジプト占領地も併合した。 国際社会では第三次中東戦争での占領地の併合を認められていない(安保理決議242(英語版))。さらにエジプトやヨルダンなどごく一部を除くイスラム諸国ではイスラエルを国家承認していなかった。しかし2020年、イスラエルがアメリカ合衆国の仲介でアラブ首長国連邦との国交正常化にこぎつけると(アブラハム合意)、続いてコソボ、バーレーン、スーダン、モロッコとも国交正常化を果たした。この結果、占領地の返還を国交正常化の条件としているパレスチナを、イスラエルが外交面でも包囲する情勢となってきている。 詳細は「パレスチナ問題」を参照 エルサレムパレスチナ分割決議では国際管理地とされたが、第一次中東戦争では西半分をイスラエルが、東半分をヨルダンが占領した。さらに、第三次中東戦争ではイスラエルが東半分も占領した。 イスラエルはエルサレム全域を実効支配しており、首都と宣言しているが、国際社会では認められていない(安保理決議478)。このため、イスラエルを承認する国家も、大使館は原則としてテルアビブに置いている。また、パレスチナは東エルサレムの領有権を主張し、東エルサレムを首都と宣言している。2017年、アメリカ合衆国のトランプ政権が、エルサレムをイスラエルの首都と承認した。米国の支援を受けるグアテマラ、ホンジュラスが追随し、2020年にはコソボがイスラエルとの国交正常化に際してエルサレムを首都と認めるなど、イスラエルの実効支配を追認する動きが強まっている。 詳細は「エルサレムの地位」を参照 ゴラン高原(イスラエル・シリア)シリアが領有してきたが、第三次中東戦争でイスラエルが占領、併合した。イスラエルの併合は国際社会から認められていないが、2019年、アメリカ合衆国が初めて承認した。 トルコ・アルメニア間の国境線トルコはアルメニア人虐殺によってアルメニア人の精神的象徴であるアララト山を含む大アルメニアの西部からアルメニア人を強制追放し、以後、同地を実効支配している。この為、アルメニアはトルコと旧ソ連によって設定された現在の国境線を認めていない。 ナゴルノ・カラバフ(アゼルバイジャン・アルメニア)かつてからアゼルバイジャンの一地方であったが、アルメニア人が多く居住していることもありアルメニアも領有を主張してきた。 ソ連解体で両国が独立国家となって以降はさらに領土問題が過熱し紛争に発展。これ以降アルメニア影響下に樹立されたアルツァフ共和国が実効支配しているが、国連加盟国からの国家承認は得られていない。 アラブ首長国連邦・サウジアラビア間の国境線1974年に領土交換をすることで一旦国境が画定されるも、2006年にアラブ首長国連邦側がこの画定を否定し領土問題が再発した。 チャゴス諸島(イギリス・モーリシャス)イギリスがイギリス領インド洋地域として実効支配しているが、かつて同じ植民地として統治されていたモーリシャスも領有権を主張する。 なお、国際司法裁は2019年2月、「モーリシャスの独立後もイギリスが分離統治し続けているのは違法である」との判断を下した。
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