中国による工作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 00:07 UTC 版)
国家安全部、中国人民解放軍総参謀部第二部などの中国の情報機関の活動はしばしば真空掃除機に例えられる。中国機関は日本では非合法な工作活動を重視せず、政界・財界・言論界などの幅広い有力者と公式に接触して一つ一つは機密性の高くない情報を大量に収集し、分析する事でインテリジェンスを得ているとされる(OSINT)。政治工作においても非合法な手法は取らず、政財界だけでなく文化人、宗教家などに対して息の長いロビイングを行うことで長い時間をかけて親中化させる手法をとっているとされ、外交部の外交官の活動と一見見分けのつきにくい活動を行っている。 「シャープパワー」、「偏向報道#外国の影響」、および「中国人民解放軍#諜報活動・政治工作」も参照 こうした手法のためか中国によるスパイ事件は北朝鮮やソ連に比べて摘発された事例は少ないが、非合法な工作活動も行われることがあり、摘発された事件には1976年に摘発された汪養然事件、1978年に摘発された研究文献等中国流出事件、2003年に摘発された国防協会事件などがある。また、2012年には中国人民解放軍総参謀部第二部機関員とみられる在日大使館一等書記官の工作(李春光事件)が摘発された。中国大使館に所属する「オフィシャル・カバー」の機関員が摘発されたのは初のことである。 「スパイ#中華人民共和国」も参照 また、人材交流が高まるにつれ民間企業の持つ軍事的に利用可能な技術や安全保障に関わる機密事項の不正流出、公務員と中国人との異性関係(ハニートラップ)を元にした情報漏えい事件(上海総領事館員自殺事件)などが発生している。 1978年に締結された日中平和友好条約によって中国からは大量の留学生が来日するようになり、また日本からの訪中者も増加しているため、こうした中で中国が活発に日本の軍事・経済情報の収集活動を行っている可能性があるとして、外事警察では注視している。 「百人計画」、「千人計画」、「普天間基地移設問題#中国・北朝鮮等の関与」、「高江ヘリパッド問題#中国・北朝鮮等の関与」、および「尖閣諸島問題」も参照 表 話 編 歴 中華人民共和国の情報機関 中国共産党統一戦線工作部調査部中央宣伝部対外連絡部中央政策研究室 国務院中華人民共和国国家安全部(情報機関) - 国家安全局・国家安全庁中華人民共和国公安部(警察) 中国人民解放軍総参謀部 - 総参謀部第二部、総参謀部第三部(傘下に中国サイバー軍)、総参謀部第四部総政治部 - 連絡部、保衛部軍区司令部 - 情報部 その他610室(法輪功を取り締まるための秘密組織)、網絡警察(インターネットポリス)、国際関係学院(情報関係者などが学ぶ大学) 過去に存在した組織中国共産党中央調査室中国共産党中央社会部中央軍事委員会総情報部中央軍事委員会総参謀部連絡部国家政治保衛局(中華ソビエト共和国時代)中国共産党中央特別行動科(上海時代)
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