中国と東南アジアのツバキ類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 16:06 UTC 版)
「ツバキ属」の記事における「中国と東南アジアのツバキ類」の解説
トウツバキ(唐椿) Camellia reticulata 中国雲南省原産のツバキ近縁種。大輪で華やかな姿が魅力である。 グランサムツバキ Camellia granthamiana 香港原産の白花ツバキ。 浙江紅花油茶 Camellia chekiangoleosa 日本のツバキに最も近い。「熊谷」はこの種に由来する品種という説がある。 サルウィンツバキ Camellia saluensis 雲南省から四川省にかけて分布。花色は白から桃色、花径4〜8.7cm。温暖湿潤な気候では病気になりやすく、耐寒性は中程度で-8℃まで。イギリスなど北部ヨーロッパでのツバキ栽培を容易にした、ウィリアムシー交配種の成立に重要な役割を果たした。夏が涼しく、光が弱くてもその後の花つきがよいという同グループの性質は、この種から受け継がれたとされる(一方でこの種の影響で暖地では枯れ込みやすい物もある)。強い耐寒性はもう一方の親のヤブツバキ系統由来である。なお、ウィリアムシーとはこのグループの最初の品種「J・C・ウィリアムズ (J.C.Williams)」に由来する名前である。 香港茶 Camellia hongkongensis 香港特産の野生種で、冬にツバキより小型の赤い花が咲く。 ユーシーネンシス Camellia yuhsienensis 中国湖南省の白花ツバキ近縁種。この種と日本の寒椿を交配した品種「夢」「蔦紅葉」は、一つの花の中で桃色の花弁と白色の花弁が交互に並ぶという特徴を呈する(白い花弁にも若干の着色部あり)。 金花茶 Camellia chrysantha 中国広西壮族自治区に分布する黄花のツバキ近縁種。中国広西からベトナムにいたる地域には金花茶以外の黄花のツバキも自生し、約50種が報告されている。 海棠(カイドウ、ハイドゥン) Camellia amplexicaulis 花は紅〜濃桃色。日本では導入以降長らく高価な園芸植物であったが、2007年にはつぼみ付きで一鉢698円で出回ったケースも見られた。 ルブリフロラ Camellia rubriflora ベトナム北部原産。赤い直径5cm程の花をつける。耐寒性は低い。 カウダータCamellia caudata 中国、香港、台湾、ブータン、ミャンマー、インド、ネパールなどに分布。白い小輪(1.7〜3cm)の花をつける。 ランケオラータ Camellia lanceolata 東南アジア島嶼部(インドネシア、フィリピン、ブルネイ、マレーシアのサバとサラワク)で現在確認されている唯一のツバキ属植物。 アザレアツバキ Camellia azalea 又は Camellia changii 中国広東省原産。花径6〜10cm。鮮赤色。花や葉はある種のツツジに似ており、そのためこの名がついた。他のツバキの咲かない夏にも開花する性質があり、育種家たちの垂涎の的である。
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