中国と韓国による論争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 02:40 UTC 版)
韓国は間島は伝統的にも歴史的にも韓国と非常に密接な係わりがあり韓国領土だと主張する一方、中国は「間島問題」は朝鮮人の創作、あるいは捏造であり、さらには一つの伝説に過ぎないと主張している。現在の韓国では、北朝鮮が中国と1962年に結んだ中朝辺界条約を認められないとする声もある。また、五道白河(土門河)に発し、松花江南部分からアムール川が流れ込む間宮海峡北部、オホーツク海に面したアムール湾までのロシア沿海州、ハバロフスク地方を含む部分も間島地方であり韓国領土と主張するグループや、さらに西間島から遼東半島までを含めるグループもある。2005年から間島協約にちなんで9月4日を「間島の日(ko:간도의 날)」と定め、特に間島協約百周年にあたる2009年9月4日には様々な関連行事が行われた。一方、韓国においても「中朝辺界条約」によって引かれた中朝国境線は、1887年の2度目の国境会談で朝鮮が提案したものと同じであり、このため日本が清と勝手に結んだ「間島協約」により間島が奪われたというのはあたらないとする見解もある。また、山口真典日本経済新聞記者は、「朝鮮半島は中国や日本に囲まれ、日本の植民地支配を含めて繰り返し侵略にさらされた。(中略)『領土』に強くこだわる背景には、周囲の大国に翻弄され続けた『侵略の歴史』があるとの見方も多い」と歴史的背景を指摘している。 今後、南北朝鮮が統一されると、この地の帰属をめぐる領土問題が再燃する可能性がないわけではない。その例として現在中国社会科学院は中国東北部の少数民族の歴史研究プロジェクト、「東北工程」(1996年重点研究課題に決定、2002年から本格的に開始)を進めているが、これにより高句麗は中国の一地方政権として中国史に編入されつつあり、韓国国内の民族主義派からは「満洲に起源と多くの領土を持っていた高句麗を韓国史から排除することによって、満洲を南北統一後の韓国が領有することの正当性をあらかじめ排除しようとするもの」との推測が生まれ、高句麗史をめぐって中国と韓国の衝突がすでに始まっている。
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