三略とは? わかりやすく解説

さん‐りゃく【三略】


三略〈上中下/〉

主名称: 三略〈上中下/〉
指定番号 2341
枝番 00
指定年月日 1977.06.11(昭和52.06.11)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 書跡・典籍
ト書 正和二年卯月八日良祐書写加点奥書紙背 延慶二年、応長二年具注暦
員数 1巻
時代区分 鎌倉
年代 1313
検索年代
解説文:  兵書として著名な現行三略本に属す現存最古写本である。料紙延慶二年と応長二年の具注暦紙背用い墨界中に一行十四五字書写し、上中各巻一巻収めている。本文中には返点・送仮名連続符などの朱墨訓点稠密に付され、まま拘点もみられる奥書によると寛弘八年菅原宣義加点した証本応徳元年建保二年、弘安七年等に転写点しその本正和二年に良祐が写得加点したのが本巻である。この寛弘八年武経七書定めた北宋元豊年間遡ること約七十以前で、当時すでに現行本系の三略が、わが国伝来し、その訓説が菅家でほぼ確立していたことを伝えて注目される本巻は三略の鎌倉時代遡る唯一の古写本で、現行本三略の古態伝えて貴重である。

三略

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/12 23:35 UTC 版)

三略』(さんりゃく)は、中国兵法書。「武経七書」のひとつ。『黄石公記』『黄石公三略』とも称される。

概要

上略、中略、下略の3つで構成され、そのため「三略」という。太公望が書き、神仙黄石公が選録したとされる。しかし、内容には、の頃は戦車戦であるのに、まだ存在しないはずの騎馬戦の言及があったり、同様に使用されない「将軍」という言葉も用いられているため、後世の人物が太公望や黄石公に仮託して書いた偽書であるとも考えられている。

牽強付会の由来とその内容とは別物であり、古から価値の有るものと見なされ、数多の兵書の中から選び抜かれて、神宗によって「武経七書」に加えられている。書き手が同じ太公望ということで、通常、『六韜』と併称される。

なお、日本の戦国武将北条早雲は、「夫れ主将の法は、務めて英雄の心を攬り、有功を賞禄し、志を衆に通ず」という最初の一節を聞いただけで、それにて足れりと、学者の講義を中止させたと伝えられる[1]

成句「柔能く剛を制す」の出典である。名言として(後述書)、「智を使い、勇を使い、貪を使い、愚を使う」(智者・勇者はもちろん、貪欲者や愚者をも上手く使いこなす。指導者はどのような者でも使いこなす)がある[2]

本の構成

  • 上略 - 人材を招く必要性や政治の要点などの記述。
  • 中略 - 策略の必要性や組織の統制術についての記述。
  • 下略 - 治国の要点や臣下の使い方などの記述。

脚注

  1. ^ 『足利時代』の第四十一章第七節で著者の田中義成は、「(比較から大きな誤りが多い)『甲陽軍鑑』に見ゆるものなれば、必ずしも信ずべきものならざれど、この頃の武将はいずれも皆三略を読めり。(中略) かく当時の将士が一般に三略を読みしは、一つは兵法の典拠とし、一つは治国の法典として読みしものなれば、早雲の之を読みしも当然の事にて、事実と認めて可なるべし」と記述している。
  2. ^ 『名言・名句 新辞典』 樋口清介監修、旺文社 1990年 ISBN 4-01-077816-4 p.254.指導者の名言の項目。

注釈文献

外部リンク


「三略」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「三略」の関連用語


2
兵書 デジタル大辞泉
76% |||||

3
酒井の太鼓 デジタル大辞泉
76% |||||




7
六韜三略 デジタル大辞泉
58% |||||

8
七書 デジタル大辞泉
52% |||||

9
三度 デジタル大辞泉
52% |||||

10
判官物 デジタル大辞泉
52% |||||

三略のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



三略のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
文化庁文化庁
Copyright (c) 1997-2025 The Agency for Cultural Affairs, All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの三略 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS