ヴァイオリン・ソナタ 第8番 ト長調とは? わかりやすく解説

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ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第8番 ト長調

英語表記/番号出版情報
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第8番 ト長調Sonate für Klavier und Violine Nr.8 G-Dur Op.30-3作曲年: 1801-02年  出版年1803年  初版出版地/出版社Bureau d'art et d'industrie 

作品解説

2011年7月 執筆者: 丸山 瑶子

 ソナタ形式第1楽章極めてシンプルな構造をとる。呈示部形式は、属調に半終止した後に属調平行調転じ多くの調を迂回すること、副主題長調ではなく短調で始まること以外はほぼ型通りである。展開部26小節短く前半はコデッタの楽節後半楽章冒頭2小節を含む楽節ゼクエンツから成るゼクエンツ主調に至るとそれがそのまま再現部開始となる。
 本楽章では、静と動の転換全体メリハリ与えている。例えば主要主題群ではターン動機跳躍上行から成る躍動的な主題に、順次進行中心のより抒情的な主題が続く。推移部の急速な音階下行連続と、伴奏無窮動リズムシンコペーション特徴とする活発な主題の間にも、息の長い対位法的なフレーズゼクエンツ挟まれる終結主題では二音の保続音がゆったりとした性格与えリズム、副主題由来スタッカート刺繍音高音導音進行により高い緊張感を持つコデッタと好対照を成す。
 緩徐楽章活発な第1楽章対照的な優美な性格本楽章では全主題主旋律を担う楽器交替して繰返されその際2つ楽器併せ表現可能性試されいるようだ例え短調主題の4小節17小節~)は、声部進行大きな変更はないが、声部交替楽器有無により呈示部だけで4通り再現部ではト音同音反復トリルになり、更に新たな形で繰返される。またホ長調主題伴奏重音奏法分散和音67小節~)は繰返し前より響き豊かにしている。
 終楽章ロンド形式一定の音域内を駆け巡る主題の音形は第1楽章ターン動機思わせる16分音符無窮動的なリズム加え、両楽器の関係が、声部交替、反行、平行、動機呼応など様々に目まぐるしく変わることも、音楽流動性一因だろう。
 冒頭主題分散和音音階というありふれた音形で構成され、これが楽章全体支配する。また装飾を伴う旋律の上行音形(5小節)も変形してエピソード含まれるex. 57小節~、117小節~)。こうした素材限定楽章全体統一する反面主題再現の際の調の多様性ハ長調ロ長調変ホ長調)や伴奏音形の変化冗長さを防いでいる。なお第1番第2番見られナポリ調への関心は、コーダにおける属調ナポリ調、変ホ長調への転調にも現れている。


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