ルイトポルト・アリーナでの突撃隊と親衛隊の点呼
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「意志の勝利」の記事における「ルイトポルト・アリーナでの突撃隊と親衛隊の点呼」の解説
ルイトポルト・アリーナ(ドイツ語版)の広大な敷地に、突撃隊と親衛隊が整列して、中央に道を作っている。Die Jugend trauert(ユーゲントが哀悼する)の荘重な旋律が流れる中、ヒトラーが親衛隊全国指導者のハインリヒ・ヒムラーとルッツェを従えてその道を歩む。戦没者記念堂(Ehrenhalle)(英語版)に拝礼している間は無音で、3人が道を戻る時には、音楽が Ich hatte ein Kameraden(私に一人の戦友がいた)に変わる。 ラッパが吹鳴され、ユリウス・メレンドルフ(ドイツ語版)の Parademarsch Nr.1 (分列行進曲第1番) が始まると、それまでの厳粛な雰囲気が一変して力強い行進のシークエンスとなる。まずシュタンダルテを掲げた集団が、ヒトラーが立つ演壇をめがけて進み、左右に分かれて両側の階段を上る。その後に隊旗や党旗、軍旗を掲げた隊員や兵士たちの行進が続く。彼らの長大な隊列は蛇のようにくねって何重もの弧を描き、やがてグラウンドの周囲を無数の林立する旗で埋め尽くす。その光景を、センターポールに備え付けた昇降機のカメラが、高所から俯瞰した映像でとらえる。 行進の最後には、行進曲が Leibstandarten-Marsch Adolf Hitler (ライプシュタンダルテ行進曲・アドルフヒトラー)に変わり、親衛隊が戦没者記念堂の前の階段を降りてくる。彼ら黒服の集団は、左右に分かれた突撃隊の間に割って入り、ヒトラーが立つ演壇の間近に陣取る。 ルッツェが演壇に立つ。「(ヒトラーのほうを向いて) 総統閣下。我々は、これまでの時間、きちんと自分たちの奉仕と義務を果たしてきました。今後も同様に、あなたのご命令だけをお待ちしています。(隊員のほうを向いて) 我ら同志は他のことは知りません。我らが総統のご命令を遂行すること、そして、我々が過去から不変であることをお示しするのみです。我らが総統アドルフ・ヒトラーに、ジークハイル、ジークハイル、ジークハイル。」 ヒトラーが演説を始める。 突撃隊および親衛隊の諸君。ほんの数か月前、この運動にひとつの暗い影が生じた。突撃隊は、他のいかなる党の組織と同様、この影とはほとんど関係がない。我々の一致団結した運動の組織に亀裂すら生じている、などと信じる者は、みな思い違いをしているのだ。我々の運動は盤石である。ここに一塊となっているごとく。我々の運動は頓挫することはない。突撃隊の精神を冒涜した者がいたら、その者が打撃を与えたのは突撃隊ではない。その者自身が、みずからに対して罪を犯したにすぎない。そして、狂人か意図的な嘘つきだけが、こんなことを思いつく。私か、あるいは他の誰かが特定の意図を持って、我々が長年築いてきたものを自ら解体した、などということを。それは誤りだ、わが同志諸君。我々はドイツのために強く団結している。そして強く団結しなくてはならない。私は諸君に新しい隊旗を引き渡そう。私は確信している。私が隊旗を渡す相手は、ドイツで最も忠実な相手であることを。なぜなら、これまでの時間、諸君は私に千倍の忠誠心を示してくれたのであり、これからの時間も、他のありようになることは出来ないし、ならないだろうからである。私は諸君に敬礼をしよう。以前から忠実な我が突撃隊と親衛隊の隊員諸君に、ジークハイル。 21発の礼砲が放たれる中、ヒトラーが演説の中で言及した新しい隊旗を、自身の手を介して血染めの旗(ドイツ語版)と結びつけることで「聖化」する党大会恒例のセレモニー。砲声が鳴り響き、かすかに党歌が流れる厳粛な雰囲気の中、ヒトラーの厳しい表情と、礼砲を射つ光景が交互に映る。
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