ルアンパバーン郡とは? わかりやすく解説

ルアンパバーン郡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/15 06:17 UTC 版)

座標: 北緯19度53分 東経102度08分 / 北緯19.883度 東経102.133度 / 19.883; 102.133

ルアンパバーン郡
ເມືອງຫຼວງພະບາງ
Luang Phabang(Luang Prabang)
龍帕邦、琅勃拉邦

ルアンパバーンの町並み
位置
ルアンパバーン郡 (ラオス)
座標 : 北緯19度53分 東経102度08分 / 北緯19.883度 東経102.133度 / 19.883; 102.133
歴史
設立
行政
ラオス
 行政区画 ルアンパバーン県
 市 ルアンパバーン郡
人口
人口 (現在)
  市域 90,313人
その他
等時帯 UTC+7 (UTC+7)
夏時間 なし

ルアンパバーン郡(ルアンパバーンぐん、ラーオ語: ເມືອງຫຼວງພະບາງ 発音:[lǔaŋ pʰāʔ.bàːŋ])は、ラオス北部に位置する古都。市街地自体が文化遺産としてユネスコ世界遺産ルアン・パバンの町)に登録されている[1]

ラオスの首都ヴィエンチャンからメコン川を約400キロメートル上流にさかのぼったナムカン川英語版との合流場所に位置する[2]。人口90,313人 (2015)[3]

歴史

表記

現在はラーオ語の発音に近い「ルアンパバーン」と表記されることが一般的となったが、過去にはタイ語からのローマ字表記が使われており、ルアンプラバンまたはルアンプラバーンとも表記された。なお、英語・フランス語など多くのヨーロッパ諸語や他の東南アジア諸語、中国語・韓国語等では現在でも「ルアンプラバン」の発音を基にした綴りを採用しており、「ルアンパバーン」の発音を採用するのはロシア語など数少ない。

主な建築物

ラオスルアンパバーンでの僧侶托鉢中に貧しい子供に食事をわける姿(サッカリン通り)
ワット・シエントーン

歴史的建造物としては、1560年セーターティラート王によって建てられたワット・シエントーン1513年に建立されたラオス最古の寺ワット・ウィスナラート、町を一望できるプーシーの丘には1804年にアヌルット王によって建立されたタート・チョムシーと呼ばれる仏塔などがある。町の中心部に位置する旧王宮はルアンパバーン国立博物館として利用されている。

交通

空路

陸路

水路

  • メコン川での水路はタイ国境のフエイサイから通じている。

観光・産業

2008年ニューヨーク・タイムズの調査で行ってみたい国ベスト1に選ばれたラオスで、観光の中心はルアンパバーンである。1995年にルアンパバーンは世界遺産として登録された。2015年には登録20周年記念として12月7日から3日間、6大イベント(①ルアンパバン世界遺産の保全、開発に関する国際セミナー、②タートノイ寺からシェントング寺までの50のパレード、③写真展、画展、④商品展示会・ルアンパバンフードフェア、1995年からのルアンパバンの開発保全展、⑤芸術・舞踊・伝統スポーツ、⑥白象(カムケオ)などサイニャブリ県からの象のパレード)を開催した[4]

2017年11月、ラオス初の植物園である「ファタケ植物園」をオランダ人リック・ガデラが開園した。外国人観光客が多く訪れているほか、研究が不十分なラオスの植物やその薬草などとしての利用を研究する拠点となっている[5][6]。また、高級ホテル「アマンタカ」が旧市街の外れに位置している。

気候

ルアンパバーンの気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C°F 27.4
(81.3)
30.8
(87.4)
33.1
(91.6)
34.4
(93.9)
33.8
(92.8)
32.4
(90.3)
31.8
(89.2)
31.5
(88.7)
31.9
(89.4)
30.8
(87.4)
28.5
(83.3)
26.3
(79.3)
31.06
(87.88)
日平均気温 °C°F 19.1
(66.4)
21.6
(70.9)
24.4
(75.9)
26.9
(80.4)
27.7
(81.9)
27.6
(81.7)
27.0
(80.6)
26.7
(80.1)
26.4
(79.5)
24.8
(76.6)
21.9
(71.4)
18.6
(65.5)
24.39
(75.91)
平均最低気温 °C°F 14.2
(57.6)
15.4
(59.7)
18.0
(64.4)
21.4
(70.5)
23.5
(74.3)
24.5
(76.1)
24.0
(75.2)
23.5
(74.3)
22.9
(73.2)
21.1
(70)
18.0
(64.4)
14.4
(57.9)
20.08
(68.13)
降水量 mm (inch) 15.2
(0.598)
18.6
(0.732)
29.8
(1.173)
107.9
(4.248)
147.2
(5.795)
258.2
(10.165)
228.4
(8.992)
288.6
(11.362)
172.6
(6.795)
126.2
(4.969)
40.1
(1.579)
10.1
(0.398)
1,442.9
(56.806)
平均降雨日数 2 2 3 9 12 14 16 19 12 6 3 1 99
湿度 82 77 74 76 81 85 87 89 87 86 84 85 82.8
平均月間日照時間 190.9 205.7 197.7 207.1 197.4 134.9 126.0 141.3 179.0 194.5 180.0 173.9 2,128.4
出典:NOAA (1961-1990) [7]

主な観光地

クアンシーの滝
  • 王宮博物館英語版 - 元王宮。内部には王宮時代に使用されていた調度品、贈答品などが展示されている。国のシンボル・パバーン仏英語版が保存されている。
  • サッカリン通り - 寺院が集中し、早朝には僧侶による托鉢が見られる[8]
  • ワット・シエントーン - ルアンパバーンのシンボルにもなっている寺院。16世紀建立[8]
  • ワット・マイ - 1788年から70年をかけて建設された、王宮博物館に隣接する大きな寺院[8]
  • ワット・セーン - サッカリン通りに面する大規模な寺院。正式名称は「ワット・セーンスッカラム」。1714年、キサラート王時代の建立。1930年と1957年にブッダ生誕2500年を記念して改修された。境内の北東部にボートが奉納される[8]
  • ワット・ビスンナラート - またはワット・ビスン。別名「スイカ寺」は1512年に建立し当初は4000本の木材を使い、12本の柱に支えられた高さ30mにも及ぶ豪壮な木造建築であったが、19世紀のウンカム王時代に中国雲南省のホー族の1887年の侵入により破壊され、1898年にサッカリン王の手で再建された。塔であるタート・パトゥムは高さが35mあり、スイカを半分に切った形に似ていることから「スイカ寺」の異名が付いた。1914年に豪雨により破壊した際、140点の金銀宝物が寺院内部から発見され、王室に納められた。その後1932年に改修され、現在に至る[8]
  • ワット・マノーロム[8]
  • ワット・パバートタイ - ベトナム様式の寺院[8]
  • ワット・タートルアン[8]
  • プーシーの丘 - 王宮博物館の向かいの小高い丘。300段以上の階段を登った先に小さな寺院があり、タート・チョムシーと呼ばれる金色に輝く仏塔が建つ。夜間にはライトアップされる。小さな丘の頂上からは町が360度一望できる。メコン川に沈む夕日のビューポイント[8]
  • バーン・サーンハイ - メコン川沿いの酒造りの村。壷作りでも有名[8]
  • パークウー洞窟 - メコン川を27kmほど遡行したところにある洞窟。約4000体もの新旧入り交じった仏像が安置される[8]
  • クアンシーの滝 - 市内から約30kmメコン川の下流側にある美しい滝[8]
  • ナイトバザール - シーサワンウォン通り入口付近で車両通行止めにして開かれる市。毎日18時頃から22時頃開催。飲食の屋台のほか、観光客向けの土産物屋などが多い[8]

ギャラリー

脚注

  1. ^ ラオス政府観光局 ルアンパバン”. www.lao.jp. 2025年8月14日閲覧。
  2. ^ 08 ラオス/ルアンパバーン”. Department for Global Affairs. UR都市機構. 2025年8月14日閲覧。
  3. ^ The 4th Population and Housing Census (PHC) 2015” (英語). Lao People's Democratic Republic (2024年8月10日). 2025年8月14日閲覧。
  4. ^ “ルアンパバン20周年”. パサソン社会経済紙. (2015年3月4日)  {{cite news}}: |access-date=を指定する場合、|url=も指定してください。 (説明)
  5. ^ ファタケ植物園ホームページ
  6. ^ NIKKEI ASIAN REVIEWから】「ラオスに恋したオランダ人/植物園を建設 観光地に/食や薬用 知恵を次代に」『日経産業新聞2017年10月12日アジア・グローバル面
  7. ^ Luangphabang Climate Normals 1961-1990”. National Oceanic and Atmospheric Administration. 2013年1月11日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m 『地球の歩き方』2016-2017版(ダイヤモンド社)

外部リンク





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