ライオデュラとは? わかりやすく解説

ライオデュラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/17 20:02 UTC 版)

ビー・ブラウン」の記事における「ライオデュラ」の解説

薬害#ヒト乾燥硬膜」を参照 1968年以来ビー・ブラウン頭部手術の際の縫合使用するヒト乾燥硬膜「Lyodura(ライオデュラ)」(日本ではリオフィライズド・デュラとして発売)を製造・販売していたが、この製品移植され多数患者らが医原性によるクロイツフェルト・ヤコブ病CJD)に感染するという事件が起きたビー・ブラウンは、硬膜調達にあたりどのような病気死んだ人のものでもあろうとかまわない見なし利益大きく材料費安く済ますために裏取引をしてでも死体調達し硬膜採取していたという。また、多く遺体から採取した硬膜混ぜて溜めpooling)、いちどに最大600もの硬膜混合処理していたという。 日本では1970年代医療器具として輸入販売承認された(この後、別メーカーによるヒト乾燥硬膜「チュトブラスト・デュラ」も発売開始されているが、大きな問題とはならなかった。)。その後1980年代には、アメリカ食品医薬品局FDA)からライオデュラの一部製品廃棄勧告受けたりカナダ保健省から一部製品使用中止等の勧告を受ける。それらの国で措置をとり、ビーブラウン社内においても同製品人体には悪影響があるという認識確かに生まれていたにもかかわらず日本においては廃棄などの必要な措置をとらず、同社輸入販売元ある日ビー・エス・エスは、従来製品は人に危害加え可能性が高いと重々承知の上で平然と販売し続けた1997年3月末に、世界保健機関人工硬膜代替できることから、高リスクであるヒト乾燥硬膜使用加盟国向けて使用停止するよう勧告し厚生省使用停止緊急安全性情報発信する1997年4月上旬まで被害者増やしたとされている。 日本では1997年にリオフィライズド・デュラの移植受けてCJD発症した患者死亡した遺族訴訟団を結成し製造元であるビー・ブラウン輸入販売元ある日ビー・エス・エスFDAでの使用停止勧告後も承認取り下げなかった厚生省相手取り損害賠償訴訟提起した2002年まで概ね原告の主張認められる判決下され医薬品以外医療器具)の薬害事例となっている。なお、チュトブラスト・デュラについては日本国内において発症事例報告されていない当時からヒト由来材料製造する場合様々な措置講じるべきだということ医学的に知られていたにもかかわらず必要な措置をとらず大きな感染被害つくりだしてしまった。より具体的には、同社は人の死体から硬膜採取し乾燥させライオデュラを製造していたのだが、そのような場合ドナー病歴などの情報しっかりと管理し不適切遺体用いないことで病気の原因になりうる要素できるかぎり取り除くべきであることや、採取した硬膜混ぜたりせずドナーごとに個別に扱うことによって感染被害拡大防止する措置講じておくべきこと、また適切な滅菌処理などの病原因子不活化処理を行うべきことは、当時から医学的な知識として知られていた。にもかかわらず同社はそれらの手順・措置ないがしろにしたヒト乾燥硬膜製造し結果として多く感染者を生みだしてしまった。

※この「ライオデュラ」の解説は、「ビー・ブラウン」の解説の一部です。
「ライオデュラ」を含む「ビー・ブラウン」の記事については、「ビー・ブラウン」の概要を参照ください。

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