ヨーロッパとその植民地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 04:42 UTC 版)
ヨーロッパでは比較的新しい12世紀以降に成立した都市は、その多くが方格設計を用いた道路体系であり、最も大規模なものとしては13世紀から14世紀にかけて創設された南フランスにおけるバスティッドの都市群である。中世ヨーロッパにおいて方格設計を用いた新都市はイギリスのウェールズからイタリアのフィレンツェに至るまでの非常に広範囲に及ぶ。その多くは、もともとローマの植民地時代に前哨基地として建設されており、新都市は古代の方格線に基づいて構築されている。 ローマ式の方格設計は、フェルナンドとイサベルのレコンキスタが進む過程で造られたスペインの入植地に採用されている。また、これはその後1496年のサン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナ(カナリア諸島)開拓、それに続くスペインによるアメリカ大陸の植民地化で建設された新都市にも採用されている。1573年、スペイン王フェリペ2世は植民地における地域社会の構築と管理について規定したインディアス法を編纂した。特に都市計画に関してはここで、正方形または長方形をした中央広場(プラザ)の角または辺から8方向に伸びる大通りの設置を規定している。南北アメリカ大陸において方格設計を採り入れた都市は、非常に多くがその方式に則って建設され、先のインディアン文明の慣行を踏襲している。 北ヨーロッパにおける方格設計は、ルネサンスの普及に伴って定着していった。1606年、新しく建設が始まったドイツのマンハイムでは、初めて方格設計を採り入れた本格的なルネサンス様式によって建設されている。その後、イギリス スコットランドのエディンバラ新都心やグラスゴー中心部のほぼ全域、ニューヘイブンやアデレードといったオーストラリア、カナダ、アメリカおける計画都市が続いた。 マルタの首都バレッタでは16世紀頃に厳密な方格設計のもと、バロック様式に統一された家屋や宮殿、教会や広場が点在するように配置されている。
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